マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
すべての写真、文は著作権がありますので無断転載はお断りします。

西波多下津の差し苗

2011年06月23日 06時38分59秒 | 民俗あれこれ(四季耕作編)
GWの期間は田植えが真っ盛りの東山間。

山添村では5月3日に神野山でツツジ祭りがあることからその後の日にされる場合が多い。

西波多下津でもそうであった。

帰郷した息子たちが応援してもらえないと田植えが始まらないという農家は少なくない。

8日の日曜日に田植えを済ませたすM夫妻はその後の田んぼをみて作業にはいった。

腰に竹カゴをぶら下げたご主人は90歳。

残しておいた苗を入れて田んぼに入った。

周囲を見渡して苗を植えていく手作業。

少し進んではそれを繰り返す。

泥田はぬかるみ。その都度、長靴を履いた足をあげる。

動きは不自由だが一つ一つ丹念に植えていく。

作業は差し苗だという。



機械で植えた苗は隙間ができる。

隙間というよりも苗が機械から出なかったり、本数が少なかったりするのだ。

その穴埋めをするのが差し苗。3、4条になるように植えていく。

村で一番の長老であるMさんはマツリのときに御供あげをする役目を担う。

耳はたっしゃやし、身体も健康。

笑顔がまぶしいお方だ。

ここへ訪問したのはカヤを12本挿す植え初めのさぶらきをしているかどうかだった。

それは何十年も前のことだと話された。

(H23. 5.10 EOS40D撮影)