マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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水口祭を求めて

2011年06月13日 07時38分15秒 | 天理市へ
水口祭の様相調査は大和郡山だけに限っていない。

各地の在所でも見られる水口祭は行事によってそれぞれに様相が異なる。

この時期に度々訪れる天理市櫟本町南小路。

といっても帰り道に通過するだけなのであるが、いつされているのかどうしても気になるのでここを通る。

例年は4月29日にその作業をされている2組の農家。

3列はビニールシートをかける。

もう1列は新聞紙と寒冷紗の苗代だ。

今年もその日に通過した。

が、なかった。

おそらくは5月1日であろうと足を運んだ。

昼過ぎのことだ。

家族がそろって苗代作りをされていた。

2年前にされていたとき同じやり方だ。

苗箱置いて、針金挿して、シートを被せる農家。

それを終えたご主人はさりげなく水口に挿された松苗。

2月に櫟本和爾下神社で行われたオンダ祭でたばった松苗だが手を合わせることもなく・・・。



作業を終えて帰ろうとしていた農家と時間差でもう1軒の農家が来られた。

こちらは新聞紙とともに寒冷紗をかける。

お声をかけさせてもらったら2年前に撮らせていただいたK家のご婦人だったので当時のお礼を伝えた。

松苗はといえばあとから前と同じように挿しておきますよと笑顔で応えられた。

話によれば分水の通水が遅延したので1日になったという。

(H23. 5. 1 SB932SH撮影)

数日後には桜井市や天理市を探してみた。

三輪の高宮さんの会所を訪ねていた。

前月に安倍の文殊さんで桜を拝見していたおりにお会いしたYさんと観音講を訪ねてだ。

場所はといえば車も入れない集落の高台にある会所。

ぼんぼりのように咲いた桜は半分ぐらい散っていた。



会所に前には愛宕さんや庚申さんの石造物が並べられている。

話によれば会所ができたときに寄せたらしい。

その会所では毎月17日に観音講が営まれている。

いずれは取材したいものだ。

その帰り道は箸墓から田原本町、天理へ抜ける街道をいく。

ところどころに苗代はみられるがお花はない。

ここらにはない、と思っていたら1か所見つかった。

老人保健施設やまのべグリーンヒルズ前の苗代にお花だけを挿していた水口があった。



お札がないとこを考えれば行事ごとには絡んでいない農家の風習であろう。

そうえいば、飯高町の住民の話では橿原や桜井の盆地部ではそんなもの見たことないと話されたことがある。

果たしてそうなのであるのか・・・。

さらに北上していけばきむら天空館前の苗代にお花と松苗が挿してあるところが見つかった。



おそらく大和神社のオンダ祭でたばったものであろう。

農家の姿は見られないが新泉であるだけに間違いないだろう。

そして長柄を過ぎて福智堂町辺りにくるとお花と松苗を祭る苗代が見つかった。



近くに神社が見当たらないことから大和神社のモノだと思うが、先ほどのモノとは大きさも本数も異なる。

さてさてそれはどの行事なのか調べておかねば・・・。

(H23. 5. 4 SB932SH撮影)