マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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高御門町・町屋の鬼避け

2016年09月15日 08時28分44秒 | 民俗あれこれ
史料保存会が建つ場を探してならまち界隈の筋を歩いていた。

ここは鳴川町から脇戸町へ行く筋道だ。

ふと目線に入ったヒイラギイワシ。

前日は節分でこの日は立春。

春を呼び起こす目覚めの境界日でもある。

この家は軒下というか、木塀に括った紐で取り付けていた。

トゲトゲ葉のヒイラギは家に入ろうとする鬼の目を突く。

イワシは匂いに敏感な(そうかどうか判らないが)鬼を撃退する。

平安時代に宮中で始まったヒイラギイワシ(あながち間違いではないが、他の呼称にヤイカガシがある)はやがて町屋や村々に広がったまじないの風習。

傍には「菊水鉾」の文字がある厄難除けのチマキ(粽)もある。

「菊水鉾」は京都の伝統行事である祇園祭の山鉾の一つだ。

このお家には施餓鬼のお札も見られた。

史料保存館の館長によれば、この筋にはけっこうな数のヒイラギイワシがあったが、今は少ないと話していた。

考えるに家を新築建て直しする場合にそのような風習を止めたのかも知れない。

県内各地の取材先でそういう事例は多々あると聞いている。

(H28. 2. 4 SB932SH撮影)