テレビのニュース報道で大和郡山市商工会が主催する「大和な雛まつり」を紹介していた。
平成23年から始まった城下町イベントは今回で5回目。
年々、訪れる雛飾り観光客が増えているように思える。
テレビや新聞でも取り上げられる効果は大きいが、どこへ行けば良いのか案内人が要るようにも思える。
展示会場、日程や時間などは「てくてくMAP」で紹介しているが、それもまた入手先は・・・。
市内を始めて訪れる人はウロウロしているようにも感じる。
いずれにしてもゆったり拝見するには土・日曜日よりも平日。
そう思っていた。
この日は心臓リハビリ運動の日。
リハビリを終えて降り立った近鉄郡山駅。
改札口を出て東に向かう道はJR郡山駅と結ぶ商店街道。
午後12時半ころ、病院へ行くときに見た観光客は団体や小グループがぞろぞろ。
昨年末に新装開店した「旬味和膳 季乃庄」がある。
開店してからほぼ4カ月。
客足は衰えることのない人気の和食ダイニング。
一度は入って食べてみたいと思うが日替わり膳が800円。
悩ましき価格帯に躊躇して未だに味わったことがない。
駅から降りてバスロータリー。
発車時間までの待ち時間が長い。
その合間に拝見したかった酒屋さんお古きお雛さん。
南北にある柳町商店街との交差点十字路の一角にあるのが目的地の米澤酒店だ。
奈良NHKの夕方報道番組の「ならナビ」で紹介された江戸時代後期の「古今雛(こきんびな)」を一目拝見したく立ち寄った。
この地に酒屋さんがあるのは知っていたが、未だに買ったことがない。
入店すれば先客がおられた。
お雛さんに魅せられて販売していた日本酒を買われた客人は奈良に住んでいながら明日から始まる東大寺二月堂の修二会を知らなかったと話す。
目と鼻の先でされているお松明を知ったのは関東の知人からだったそうだ。
足元に目が行かずに知らなかったというのはいくらでもある。
昨年の夏、内蔵を整理していたら偶然に発見したという今回初のお披露目となった古今雛もそのようだ。
整理する機会があっても発見に至らない場合もあるだろう。
酒屋婦人の話しによれば古今雛を直接的に発見したわけではなく、導きをしたのは百年前の白い犬。
もちろん生きた犬ではなく置物の犬だ。
ここ掘れワンワンと鳴いたわけでもない置物犬が古今雛の上に居たそうだ。
出てきたお雛さんは秋になってから奈良県立民俗博物館の学芸員に鑑定してもらった。
その結果が江戸後期の作になる古今雛だった。
江戸中期の(享保年間(1716~)に流行した享保雛以後に新しく工夫されたお雛さん。
明和年間(1764~)から安永年間(1772~)にかけて、江戸十軒店の原舟月が創作されて作り上げたお雛さんは「古今雛(こきんびな)」の名で広まったとされる。
やや面長なお顔の古今雛は店内奥に特別に作ったひな壇に並んでいた。
享保雛を今でも飾る家がある。
この年の開帳期間は3月1日から3日まで。
米澤酒店より東。
JR郡山駅に向かって歩けば薬園八幡神社が鎮座する。
その向かい側の家がそうである。
幾度か訪問、取材させてもらった鈴木やよひさんは高齢であるにもかかわらず今でも元気に活動をされていると米澤久美子さんが話していた。
昨年の11月28日にも訪問、取材させてもらった葉本家婦人らとともに大和な雛まつり推進委員を務めている。
葉本家もお雛さんを飾っている。
明治時代の作とされる御殿飾りに圧倒されたことを覚えている。
実は葉本家も内蔵から発見されたのである。
さて、米澤酒店である。
同店で展示されたお雛さんは古今雛の他、同壇横に並んだ三人官女も並べた。
お顔つきや装束の様相から古今雛と同時代のように思える。
また、店内中央には大正時代の初め(1912~)のころの雛飾りも並べられた。
五人囃子も含めてお顔はやや丸顔が愛くるしい笑顔で客人を迎えてくれる。
当時の女児たちが遊んでいたと想定されるままごと道具もある。
懐かしい道具に女の子の人形も。
「この人形は歯もあるし、舌もあるのです」と紹介される。
男の子の大型市松人形も蔵にあった。
収めていた蓋の裏に「安政七庚申年(1860)二月恭日 新米之 (柳町丁喜調 □岡寶拾□五□)」の墨書があった。
これらの展示品はストロボ厳禁。
これからも大切にしていきたいと話す米澤酒店には次から次へと拝観者がやってくる。
入れ代わる度にお雛さんの説明をされる婦人は座る間もない。
なぜか私の顔をどこかで見たという婦人。
鈴木家、葉本家の関係もあってついつい長居をしてしまった。
なかにはよく存じ上げている客人とともにTさんも拝観にこられた。
ついこの間の前週日曜日。
カメラのキタムラ奈良南店に立ち寄ったら写真展があって見惚れていたという。
それは私の作品の「食を干す」だ。
魚を干している映像に興味をもったという。
カラープリント用紙で解説したシートが綺麗だったので、ありがたく持ち帰ったという。
(H28. 3. 1 EOS40D撮影)
平成23年から始まった城下町イベントは今回で5回目。
年々、訪れる雛飾り観光客が増えているように思える。
テレビや新聞でも取り上げられる効果は大きいが、どこへ行けば良いのか案内人が要るようにも思える。
展示会場、日程や時間などは「てくてくMAP」で紹介しているが、それもまた入手先は・・・。
市内を始めて訪れる人はウロウロしているようにも感じる。
いずれにしてもゆったり拝見するには土・日曜日よりも平日。
そう思っていた。
この日は心臓リハビリ運動の日。
リハビリを終えて降り立った近鉄郡山駅。
改札口を出て東に向かう道はJR郡山駅と結ぶ商店街道。
午後12時半ころ、病院へ行くときに見た観光客は団体や小グループがぞろぞろ。
昨年末に新装開店した「旬味和膳 季乃庄」がある。
開店してからほぼ4カ月。
客足は衰えることのない人気の和食ダイニング。
一度は入って食べてみたいと思うが日替わり膳が800円。
悩ましき価格帯に躊躇して未だに味わったことがない。
駅から降りてバスロータリー。
発車時間までの待ち時間が長い。
その合間に拝見したかった酒屋さんお古きお雛さん。
南北にある柳町商店街との交差点十字路の一角にあるのが目的地の米澤酒店だ。
奈良NHKの夕方報道番組の「ならナビ」で紹介された江戸時代後期の「古今雛(こきんびな)」を一目拝見したく立ち寄った。
この地に酒屋さんがあるのは知っていたが、未だに買ったことがない。
入店すれば先客がおられた。
お雛さんに魅せられて販売していた日本酒を買われた客人は奈良に住んでいながら明日から始まる東大寺二月堂の修二会を知らなかったと話す。
目と鼻の先でされているお松明を知ったのは関東の知人からだったそうだ。
足元に目が行かずに知らなかったというのはいくらでもある。
昨年の夏、内蔵を整理していたら偶然に発見したという今回初のお披露目となった古今雛もそのようだ。
整理する機会があっても発見に至らない場合もあるだろう。
酒屋婦人の話しによれば古今雛を直接的に発見したわけではなく、導きをしたのは百年前の白い犬。
もちろん生きた犬ではなく置物の犬だ。
ここ掘れワンワンと鳴いたわけでもない置物犬が古今雛の上に居たそうだ。
出てきたお雛さんは秋になってから奈良県立民俗博物館の学芸員に鑑定してもらった。
その結果が江戸後期の作になる古今雛だった。
江戸中期の(享保年間(1716~)に流行した享保雛以後に新しく工夫されたお雛さん。
明和年間(1764~)から安永年間(1772~)にかけて、江戸十軒店の原舟月が創作されて作り上げたお雛さんは「古今雛(こきんびな)」の名で広まったとされる。
やや面長なお顔の古今雛は店内奥に特別に作ったひな壇に並んでいた。
享保雛を今でも飾る家がある。
この年の開帳期間は3月1日から3日まで。
米澤酒店より東。
JR郡山駅に向かって歩けば薬園八幡神社が鎮座する。
その向かい側の家がそうである。
幾度か訪問、取材させてもらった鈴木やよひさんは高齢であるにもかかわらず今でも元気に活動をされていると米澤久美子さんが話していた。
昨年の11月28日にも訪問、取材させてもらった葉本家婦人らとともに大和な雛まつり推進委員を務めている。
葉本家もお雛さんを飾っている。
明治時代の作とされる御殿飾りに圧倒されたことを覚えている。
実は葉本家も内蔵から発見されたのである。
さて、米澤酒店である。
同店で展示されたお雛さんは古今雛の他、同壇横に並んだ三人官女も並べた。
お顔つきや装束の様相から古今雛と同時代のように思える。
また、店内中央には大正時代の初め(1912~)のころの雛飾りも並べられた。
五人囃子も含めてお顔はやや丸顔が愛くるしい笑顔で客人を迎えてくれる。
当時の女児たちが遊んでいたと想定されるままごと道具もある。
懐かしい道具に女の子の人形も。
「この人形は歯もあるし、舌もあるのです」と紹介される。
男の子の大型市松人形も蔵にあった。
収めていた蓋の裏に「安政七庚申年(1860)二月恭日 新米之 (柳町丁喜調 □岡寶拾□五□)」の墨書があった。
これらの展示品はストロボ厳禁。
これからも大切にしていきたいと話す米澤酒店には次から次へと拝観者がやってくる。
入れ代わる度にお雛さんの説明をされる婦人は座る間もない。
なぜか私の顔をどこかで見たという婦人。
鈴木家、葉本家の関係もあってついつい長居をしてしまった。
なかにはよく存じ上げている客人とともにTさんも拝観にこられた。
ついこの間の前週日曜日。
カメラのキタムラ奈良南店に立ち寄ったら写真展があって見惚れていたという。
それは私の作品の「食を干す」だ。
魚を干している映像に興味をもったという。
カラープリント用紙で解説したシートが綺麗だったので、ありがたく持ち帰ったという。
(H28. 3. 1 EOS40D撮影)