4月27日に満93歳の誕生日を迎えたおふくろ。
介護の身であるが、週1回はお外に出られる要支援の身。
介護施設の送迎者に乗って出かける週一回の楽しみ。
リハビリ療法士の指導の下、廊下などを歩く。
住まいする室内に動きを補助する介助用具の助けを借りて自力歩行もできる。
とはいっても距離はごくごく僅か。
循環器内科、歯医者、眼科、耳鼻咽喉科などの診療医療にしかお外に出る機会はない。
昨年の4月はおふくろが住まいする近辺で桜見物と相成ったがそれからとはいうものは皆無に近しい。
診療以外ででかけることは極めて少ない。
昨年の花見桜は近くの堤防に咲いている場であっても喜んでくれる。
さて、今年はどこに行こうか。
車に乗っているだけなら今のところはなんともない。
たかだか1時間ちょっとくらいならなんともない。
むしろ車窓から眺める季節の様相に、ここへ行ったとか、あそこは美味しかったとか・・昔のことでもよく覚えている。
その記憶は確かな記憶にいつも感心している。
この日の目的地は大阪・堺にあるホテル・アゴーラリージェンシー大阪堺。
この4月1日に「ホテル・アゴーラリージェンシー堺」から名称変更、境に大阪を付与し「ホテル・アゴーラリージェンシー大阪堺」になっていた。
その25階にある日本料理なにわの和食をもう一度、である。
行先を伝えたら嬉しいと喜ぶおふくろ。
料理も味もしっかり覚えていた。
ここ日本料理なにわは予約が確実。
前もって電話を入れたが、平成28年の4月30日によばれたメニューが消えていた。
あの美味しかった2700円の瓢(ひさご)弁当はもう味わえない。
かーさんが味わった同額2700円の寿司囃子もない。
では、現在のメニューはどのようなものが・・。
ランチメニューは月替わり。
3000円の御造里御膳に3200円のなにわ弁当がある。
お手頃な価格帯にその2品を予約したが、数量は・・。
とりあえず注文した数量はなにわ弁当が2食。
御造里御膳は1食。
テーブルに運ばれた際に3人が選ぶということにしていたが、困ったことに長いものが苦手のおふくろがどうしても食べられない食材があった。
うなぎはなかったがアナゴにハモである。
それ以外にも受け付けない食べ物がある。
見た目がいやだという光物の魚。
食べてみたらわかるのだが、それはヒラマサかカンパチ。
そんな魚は聞いたことがないから食べたこともない。
口にでけへんといって避けてしもうた。
と、いうのもなにわ弁当である。
のっけから出てきた小鮎料理。
見た目が気持ち悪いからといって御造里御膳を選んだおふくろ。
回転寿司なら好きなものを選べるが、料亭会席の料理では回避するしかない。
というわけで御造里御膳のお品書きは、小鉢2種盛りの先付け、七種の魚介類のお造り盛り合わせ、蒸し物は茶碗蒸し、留椀は赤出汁仕立ての汁椀、食事はご飯に香物。
甘味は柚子シャーベットである。
前述したように、このお品書きに潜んでいた・・・ハモとアナゴ。
ハモは姿でわかった瞬間に小鉢ごと、私に廻ってきたハモ煮びたしであるが、底まで食べていってはじめてわかったアナゴ。
茶碗蒸しにつきもののアナゴに、わぁー、である。
私とかーさんはなにわ弁当。
ネーミングが弁当になっているが、なにわ会席に名を替えたほうがよかろうと思えるくらいのなかなかの料理。
良品のお食事はここなにわにしてよかったと思える品ぞろえ。
以前と違っていたが、それはそれで良し。
はじめの盛りは前菜の五種盛り合わせ。
上品な玉子焼きに鴨ロース。
茗荷を添えた柚子味噌付けの小鮎に季節らしく粽餅も。
五種盛り以外に、もずくと玉子豆腐は小鉢。
このもずくもおふくろは苦手だ。
鶏なら食べるが鴨は口にしないおふくろである。
次の配膳はこれ一つ。
以前に食べた瓢(ひさご)弁当にも出ていた三段の椀盛り。
上から順に下して並べてみる造里、焼き物、煮物である。
造里は鮪と鯛の二種盛り。
お造りの添え物、いわゆる刺身のツマは短冊薄切りのダイコンに海藻のとさか。
鶏の鶏冠に似ているからその名が付いたとか。
焼き物は穴子の蒲焼き。
これが実に美味い。
穴子の味を越えた穴子の焼き具合にほろっとする。
添え物のあしらいは何だろう。
口にしてもわからない食感。
初めて味わうこれは葉唐辛子。
仲居さんに教えてもらって、へっ、である。
ピリッと辛い葉唐辛子は佃煮。
実に美味しい佃煮に拍手を捧げたくもなる素晴らしい一品。
お品書きにあった料理長は太田重明氏。
直接会うわけにはいかないが、この場を借りてありがとうございますとお礼を伝えたい。
煮物は野菜四種の盛り合わせ。
味がたっぷり沁み込んでいる人参に蕗、里芋、南瓜は餡仕立ての甘煮。
次の料理は揚げ物。
ぷりぷり食感がたまらない海老にオクラ、さつまいもの野菜二種盛り天婦羅は大根おろしを落とした天つゆでよばれる。
食べようとしたときに運ばれた食事に汁椀。
天婦羅とともに並べたご飯は高菜と雑魚を混ぜたご飯。
塩気が少しあるのか高菜にあるのかわからないが美味しくいただけた。
香物は一般的。
赤出汁仕立てはなめこに和布の入った赤だし。
なめこ感にとろとろ和布が口に合う。
最後に登場した甘味。
仲居さんが運んできたそれは五種の甘未。
おふくろが食べていた御造里御膳の甘味は柚子シャーベット。
口にしようとしたときに仲居さんが伝えた言葉。
この中から三種を選んでいただけますと・・。
それを聞いたおふくろ、どれにしようかと迷いはじめた。
いやいや、御造里御膳はそれだけだよと伝えたらがっくり。
かーさんが選んだ三種は、柏餅に抹茶プリンとわらび餅。
私が選んだ三種は、わらび餅に葡萄と黒蜜くず。
くずは黒蜜以外に抹茶蜜とかがあるが、間違いのなく美味しくいただける黒蜜しかない。
この中から一つ、半分なら食べていいよと小鉢を渡したわらび餅。
きな粉を落としたわらび餅には半分も戻ってこなかった。
なぜに、半分ずつ二人が食べてしまったのだ。
おーなんてこったい。
一口も味わえなかったわらび餅に未練が残る。
残った2品の味わいを持っていかれんようにして食べた。
つるつる食感が嬉しい黒蜜くずが美味い。
甘味はそれほど好きな方ではないが、これは美味い。
さっぱり味わえる食感が喉を通っていった。
葡萄の種類が思い出せない。
(R1. 5. 2 SB805SH撮影)
介護の身であるが、週1回はお外に出られる要支援の身。
介護施設の送迎者に乗って出かける週一回の楽しみ。
リハビリ療法士の指導の下、廊下などを歩く。
住まいする室内に動きを補助する介助用具の助けを借りて自力歩行もできる。
とはいっても距離はごくごく僅か。
循環器内科、歯医者、眼科、耳鼻咽喉科などの診療医療にしかお外に出る機会はない。
昨年の4月はおふくろが住まいする近辺で桜見物と相成ったがそれからとはいうものは皆無に近しい。
診療以外ででかけることは極めて少ない。
昨年の花見桜は近くの堤防に咲いている場であっても喜んでくれる。
さて、今年はどこに行こうか。
車に乗っているだけなら今のところはなんともない。
たかだか1時間ちょっとくらいならなんともない。
むしろ車窓から眺める季節の様相に、ここへ行ったとか、あそこは美味しかったとか・・昔のことでもよく覚えている。
その記憶は確かな記憶にいつも感心している。
この日の目的地は大阪・堺にあるホテル・アゴーラリージェンシー大阪堺。
この4月1日に「ホテル・アゴーラリージェンシー堺」から名称変更、境に大阪を付与し「ホテル・アゴーラリージェンシー大阪堺」になっていた。
その25階にある日本料理なにわの和食をもう一度、である。
行先を伝えたら嬉しいと喜ぶおふくろ。
料理も味もしっかり覚えていた。
ここ日本料理なにわは予約が確実。
前もって電話を入れたが、平成28年の4月30日によばれたメニューが消えていた。
あの美味しかった2700円の瓢(ひさご)弁当はもう味わえない。
かーさんが味わった同額2700円の寿司囃子もない。
では、現在のメニューはどのようなものが・・。
ランチメニューは月替わり。
3000円の御造里御膳に3200円のなにわ弁当がある。
お手頃な価格帯にその2品を予約したが、数量は・・。
とりあえず注文した数量はなにわ弁当が2食。
御造里御膳は1食。
テーブルに運ばれた際に3人が選ぶということにしていたが、困ったことに長いものが苦手のおふくろがどうしても食べられない食材があった。
うなぎはなかったがアナゴにハモである。
それ以外にも受け付けない食べ物がある。
見た目がいやだという光物の魚。
食べてみたらわかるのだが、それはヒラマサかカンパチ。
そんな魚は聞いたことがないから食べたこともない。
口にでけへんといって避けてしもうた。
と、いうのもなにわ弁当である。
のっけから出てきた小鮎料理。
見た目が気持ち悪いからといって御造里御膳を選んだおふくろ。
回転寿司なら好きなものを選べるが、料亭会席の料理では回避するしかない。
というわけで御造里御膳のお品書きは、小鉢2種盛りの先付け、七種の魚介類のお造り盛り合わせ、蒸し物は茶碗蒸し、留椀は赤出汁仕立ての汁椀、食事はご飯に香物。
甘味は柚子シャーベットである。
前述したように、このお品書きに潜んでいた・・・ハモとアナゴ。
ハモは姿でわかった瞬間に小鉢ごと、私に廻ってきたハモ煮びたしであるが、底まで食べていってはじめてわかったアナゴ。
茶碗蒸しにつきもののアナゴに、わぁー、である。
私とかーさんはなにわ弁当。
ネーミングが弁当になっているが、なにわ会席に名を替えたほうがよかろうと思えるくらいのなかなかの料理。
良品のお食事はここなにわにしてよかったと思える品ぞろえ。
以前と違っていたが、それはそれで良し。
はじめの盛りは前菜の五種盛り合わせ。
上品な玉子焼きに鴨ロース。
茗荷を添えた柚子味噌付けの小鮎に季節らしく粽餅も。
五種盛り以外に、もずくと玉子豆腐は小鉢。
このもずくもおふくろは苦手だ。
鶏なら食べるが鴨は口にしないおふくろである。
次の配膳はこれ一つ。
以前に食べた瓢(ひさご)弁当にも出ていた三段の椀盛り。
上から順に下して並べてみる造里、焼き物、煮物である。
造里は鮪と鯛の二種盛り。
お造りの添え物、いわゆる刺身のツマは短冊薄切りのダイコンに海藻のとさか。
鶏の鶏冠に似ているからその名が付いたとか。
焼き物は穴子の蒲焼き。
これが実に美味い。
穴子の味を越えた穴子の焼き具合にほろっとする。
添え物のあしらいは何だろう。
口にしてもわからない食感。
初めて味わうこれは葉唐辛子。
仲居さんに教えてもらって、へっ、である。
ピリッと辛い葉唐辛子は佃煮。
実に美味しい佃煮に拍手を捧げたくもなる素晴らしい一品。
お品書きにあった料理長は太田重明氏。
直接会うわけにはいかないが、この場を借りてありがとうございますとお礼を伝えたい。
煮物は野菜四種の盛り合わせ。
味がたっぷり沁み込んでいる人参に蕗、里芋、南瓜は餡仕立ての甘煮。
次の料理は揚げ物。
ぷりぷり食感がたまらない海老にオクラ、さつまいもの野菜二種盛り天婦羅は大根おろしを落とした天つゆでよばれる。
食べようとしたときに運ばれた食事に汁椀。
天婦羅とともに並べたご飯は高菜と雑魚を混ぜたご飯。
塩気が少しあるのか高菜にあるのかわからないが美味しくいただけた。
香物は一般的。
赤出汁仕立てはなめこに和布の入った赤だし。
なめこ感にとろとろ和布が口に合う。
最後に登場した甘味。
仲居さんが運んできたそれは五種の甘未。
おふくろが食べていた御造里御膳の甘味は柚子シャーベット。
口にしようとしたときに仲居さんが伝えた言葉。
この中から三種を選んでいただけますと・・。
それを聞いたおふくろ、どれにしようかと迷いはじめた。
いやいや、御造里御膳はそれだけだよと伝えたらがっくり。
かーさんが選んだ三種は、柏餅に抹茶プリンとわらび餅。
私が選んだ三種は、わらび餅に葡萄と黒蜜くず。
くずは黒蜜以外に抹茶蜜とかがあるが、間違いのなく美味しくいただける黒蜜しかない。
この中から一つ、半分なら食べていいよと小鉢を渡したわらび餅。
きな粉を落としたわらび餅には半分も戻ってこなかった。
なぜに、半分ずつ二人が食べてしまったのだ。
おーなんてこったい。
一口も味わえなかったわらび餅に未練が残る。
残った2品の味わいを持っていかれんようにして食べた。
つるつる食感が嬉しい黒蜜くずが美味い。
甘味はそれほど好きな方ではないが、これは美味い。
さっぱり味わえる食感が喉を通っていった。
葡萄の種類が思い出せない。
(R1. 5. 2 SB805SH撮影)