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ボストンのレスターもロサンジェルスのラッキーもともに譲らない投げ合いとなったが、先に得点したのはボストンだった。2点先行して7回を終えたとき、レスターの球数は106球ではあったが8回も投げ、9回にクローザーのパペルボンにつなぐ展開を予想したが、フランコナ監督はレギュラーシーズンと同様に交代させた。
8回は岡島が二死を取ったがテシェイラに四球を与えて降板、続いて登板の若手マスターソンもゲレーロにツー・ストラクとカウントを有利にしたが、さすがゲレーロも状況をよく見ていて大振りを避けて四球を選んだ。サイン違いか記録ワイルドピッチで走者二塁と三塁に置きハンターの一・二塁間を抜くヒットで同点となる。
ここでやはり好投のレスターを投げさせておけばよかったのでは……と思った。9回表のピンチを切り抜けたその裏、エンジェルスのピッチャーは、手ごわいシールズ。しばらくこう着状態を覚悟していたが、ジェイソン・ベイが二塁打を放つ。続くライリーが、一・ニ塁間を破るヒットでベイが還り3-2でボストンがサヨナラ勝ちを収めた。
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サヨナラのホームに滑り込むジェイソン・ベイ
試合終了後しばらくこの投手交代について考えていた。そして、わたしの考えが近視眼的でその場限りの判断だと気がついた。この試合を落とせば、第5戦で松坂が投げて負ければそれで終わり。勝てばリーグ優勝決定シリーズ第1戦に中三日でレスターを先発させられる。
監督は勝つことしか考えずその手立てを準備しておく。負ける準備をする人はいない。目先に走るとまさに負ける準備をすることになる。とは言ってもレスターを中三日で投げさせるのか?わたしには分からない。
今後のスケジュールを見るとリーグ優勝決定シリーズは、11日(日本時間)から始まる。第1戦はおそらく松坂だろう。第2戦にレスターにすると中三日になる。ベケットを投入して第3戦にレスターにすれば無理がない。
いまや一番安定しているのはレスターだから、彼を中心に考えれば余分な投球は避けなければならない。そういう先のことを考えての采配と受け止めるが、さてどんな投手リレーになるのか、お楽しみというところ。