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旅「11日間のスリランカNo 11」

2012-10-05 17:06:16 | 旅行

 成田国際空港の駐車場への通路を歩きながら、スリランカの空港ではビールが飲めなかったのを思い出した。成田はどうだろうか。心配は要らなかった。レストランの入り口にある料理見本の中にジョッキに入ったビールが置いてあった。

 ではなぜスリランカの空港ではビールが飲めないのか。ゴールへの道すがら地元の食堂では、アルコール類は売っていなかった。飲酒の習慣が一般的でないかもしれない。それに、Mrチャンナの話では、スリランカ人はアルコールを飲むといざこざを起こすと言っていた。
 Mrチャンナの店もアルコールを出そうと思っているが、会員制にして選別しようと思うとも言っていた。ハッキリした理由は分からない。

 駐車場から新空港自動車道に乗り入れたとき、私の車がまるで高級車のように静かで滑らかな動きを見せた気がした。それほど、道路がいいと言うわけだった。あのがたがた道の揺れが体に沁み込んでいたせいかもしれない。
 改めて、日本再発見を実感した。日本の嫌なところもあるが、食べ物や道路や交通事情などは幸せを感じていた。

 ところが、このブログを書き進めているうちに、果たして日本は何でも良くていい国なのだろうか。と言う疑問が浮かんできた。
 日本国民は、多種多様な食文化の恩恵にあずかり、交通法規はきっちりと守るし、電車は1分でも遅れると乗客にお詫びのアナウンスを流すし、住宅地の角にも信号がついている。路線バスは、エアコンが入り扉はきちっと閉められている。すべてが管理された国だ。

 反対にスリランカは、無秩序で我がままで決して豊かとはいえない生活環境に生きている。交通事情だけに絞ってみても、歩道なんて見なかったし、交差点に信号機の無いところが多いし、割り込みはしょっちゅうでバイクは中央分離帯を逆走してくる、自転車も中央分離帯に沿って走っているし、クラクションの音が途切れることもない。
 横断歩道があるがそこには信号がなく、道路を横断するには適当なところで渡っていく。そして割り込んだからと言ってドライバー同士が大喧嘩していることもない。大きな事故も見なかった。

 おそらくスリランカ人は言うだろう。「おれたちは、信号や標識が無くても結構うまくやってるよ。本来道は人間のものなんだから、どこを歩いたって構わないだろう? 車のほうが避けりゃあいいんだ。電車が少々遅れたって死ぬわけじゃないしね。食文化は先祖からの伝統だし、慣れてもらうしかないね。えっ、住宅地の中に信号? そりゃ費用の無駄遣いってもんだなあ。この国にもいろいろ問題があるけど、おれたち気楽にやってるよ」

 Mrチャンナは言う。「スリランカはあくせく働かなくても生きていける国だ。もし、人生で成功したければ日本人のように働き、日本人のようなサービスを提供すればいい。日本でやっていることを普通にやればいいだけだ」他国の人間がとやかく言うこともないが、公平に見て日本はなにかにつけて管理され過ぎと言ってもいいかもしれない。そして、スリランカは人間らしく生きていけるような気もする。

 Mrチャンナのターゲットは、外国人観光客とスリランカの富裕層だという。それも一つの選択だろう。
 さて、ついでながら「CHANNA」の店のアドレスを書いておこう。もし、スリランカへ行く機会があれば、ぜひ立ち寄っていただきたい。

 =B7. Kandy Road Meepitiya. Kegalle. Sri Lanka 電話番号は、海外からは94(国番号)-35-222-1009スリランカ国内では035-222-1009=

 もう一つ気がついたことは、車にしろテレビにしろ、今や韓国製に日本製が押されているのが現状だろう。ただ、スリランカのホテルで見たテレビの韓国製と日本製の性能に明らかに日本製が勝っていると言うことだ。日本製のテレビは、パナソニックとサンヨーだった。韓国製は、LG製だった。

 あるホテルでは、大型テレビがLG製、中型がパナソニック製だった。その画面を見比べたときパナソニックが鮮明だった。スリランカの電波は、まだアナログだと言っていたから、画面の鮮明度はテレビの性能によるところが大きい。このように技術的には日本が勝っているが、安閑とはしておれないのは確かだ。

 私たちの留守中、飼っているオスとメスの二匹の猫を動物病院ヘ預けてあった。ゲージに11日間放り込まれていたせいなのか、オスの猫はしばらく私たちを恐怖の目で眺めていた。今はいつもの甘えん坊になっている。
 それから、Mrチャンナの店を手伝っている息子は、私たちが持っていったハーブ類の種を空き地で育てるらしく種をまいたらしい。コリアンダ、イタリアンパセリ、パセリ、ルッコラ、クレソン、タイム、レモンバームそれに三つ葉、赤じそ、青じそで、いずれ料理の飾りにお目見えするはず。ただしうまく育てば……。(おわり)