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映画「パーフェクト・センスPerfect Sense’11」劇場公開2012年1月

2012-10-18 10:48:27 | 映画

               
 暗闇、光、男と女、食料、レストラン、病気、仕事、交通、すべてが存在し誰もが知っている世界。そして悲しみや憎しみを併せ持つ世界。

 嗅覚を失ったと言う患者と対面する感染症専門医スーザン(エヴァ・グリーン)は、この病気の原因を掴めないまま病気はアジアからロシアに拡大しつつあった。重症嗅覚障害症候群と名づけられた。

 極度の悲しみがこの病気を引き起こすことは分かっていた。スーザンも恋を失い精神的に不安定な時期をやり過ごしている最中だった。彼女のアパートの下にレストランの裏口があって、そこのシェフ、マイケル(ユアン・マクレガー)と知り合う。

 やたらに食べているうちに味覚が失われ、憎しみで怒り狂うと聴覚を失う。やがてこの恐ろしい事態がスーザンとマイケルにも降りかかる。
 そして映画のナレーションは、「数週間で味覚は過去のものとなり、他の感覚が研ぎ澄まされた」一般的に言われる人間の五感、視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚のうち鋭敏になったのは視覚と触角になる。
 さあ、それが何を意味するのか分からないし、この映画の言いたいことがいま一つ分からない。あえてこじつければ、現代の世界は、悲しみ、憎しみ、怒りが充満していて、はけ口が見つからないと狂気による感覚の喪失につながるかもしれない。

 残る視覚と触角は、今以上にセックスへの傾倒を意味しているのかもしれない。この監督の映画は、’03「猟人日記」を観たがやはりセックスがテーマだった。この映画でも、セックス・シーンは入念に描いてある。しかも、キレイに……。悲しみがどうして嗅覚障害になるのか分からずじまいだった。SFだから論理的説明が要らないとでも思っているように思われた。
            
            
            
            
監督
デヴィッド・マッケンジー1966年5月イギリス、スコットランド生まれ。

キャスト 
ユアン・マクレガー1971年3月イギリス、スコットランド生まれ。
エヴァ・グリーン1980年7月フランス、パリ生まれ。