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鳩を求めてベルギー、フランダースへ「不都合な契約 ’14」

2015-07-09 20:57:59 | 映画

            
 ニューヨークにあるWFGという投資会社。そこの社長が敏腕の営業マン、コリン(ジェイミー・ドーナン)に「シークは、推定総資産100億ドル(約1200億円)だ。そのシークが5億投資してくれるはずが、他社に心変わりした。取り戻してこい。必ず」と命令された。

 砂漠の中のシークの屋敷で会ったコリンは、シークがレースの鳩に思い入れが深く、1600キロ以上の距離を飛んで故郷に帰るというバルセロナ国際レースで、ぜひ優勝したいという思いがあるのを知った。

 そのためには優秀な鳩が必要。その鳩を持っているのは、ベルギーのフランダースに住むジョス・パウェルズという男だった。ベルギーへ飛ぶ飛行機の中でジョス・パウェルズを検索してみると、孫娘のイザベル(シャルロット・デ・ブライネ)がいることが分かる。

 コリンは国語の教師だという触れ込みでイザベルに近づく。時間とともに二人の関係は熱を帯びる。鳩が重要な役割をしていてハートウォーミングな映画だ。

 第1次世界大戦中敵地で孤立したイギリス軍が放った鳩(シェラミ)が、傷つきながらも司令部まで飛翔して兵士を救ったというエピソードがセリフで語られる。

 くっくっと鳴く可憐な鳩の映像は、輝きを増しているようにも思うから不思議だ。バルセロナの国際レースのスタート時の映像は、3万3000羽の鳩の乱舞は見応えがある。

 この映画を監督したドミニク・デリュデレという人は、手抜きをしない堅実な作り手に思われる。物語の流れがスムーズで誤魔化しがない。

 コリンは、ジョスから宝物の鳩を半ば脅して買い取った。ジョスはイザベルには言わないでくれと言われてイザベルには無言で帰国する。当然イザベルは怒り狂っている。

 この二人の関係の修復をどのようにするのだろう。映画を観ながら思っていると、スムーズな展開で納得できるものだった。

 鳩が可愛く思えるし、コリンとイザベルの恋の行方も楽しめる映画だった。なお、イギリス軍兵士を救った鳩について、最後に次のキャプションがある。「国立アメリカ歴史博物館でシェラミの剥製とフランス政府から与えられた勲章を見ることが出来る」
       
       
       
       
       
       

監督
ドミニク・デリュデレ1957年6月ベルギー生まれ。

キャスト
ジェイミー・ドーナン1982年5月イギリス、北アイルランド生まれ。
シャルロット・デ・ブライネ出自不詳

ママのためのポルノという「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ ’15」劇場公開2015年2月

2015-07-07 17:16:37 | 映画

           
 主婦が趣味で執筆しインターネットにアップした小説が評判を呼び、全世界でハリポタを抜いて約7000万部を売り上げたという原作の映画化という。

 過激な性描写で評判の映画。過激な性描写というのは、手を縛ったり足を縛ったりする緊縛SM(サディズムとマゾヒズム)で、私にはまったく興味の外だったがそれほど過激とも思わなかった。むしろ何でわざわざ手間をかけるんだと思ったくらいだ。

 卒業間近の女子大生アナ(アナスタシア)・スティール(ダコタ・ジョンソン)は、シアトルの大富豪クリスチャン・グレイ(ジェイミー・ドーナン)の巨大ビル、グレイ・ハウスを訪問した。

 ジャーナリズム専攻のルームメイト、ケイト(エロイーズ・マンフォード)に代わって学生新聞の卒業特集号にグレイとのインタヴュー記事を掲載するための面談だった。

 それがきっかけで徐々に禁断の館へといざなうグレイ。それも堅苦しい契約書を作るというから可笑しくなってくる。グレイはサディズム傾向があって、アナをマゾヒズムに仕立て上げようとした。グレイは恋愛関係にしたくないと言うが、アナは愛を求めた。これがのちのち、エレベーターの前で「アナスタシア!」「クリスチャン!」と名前を呼び合って終わる。

 全編の殆どが性描写といってもいいくらい頻繁にダコタ・ジョンソンの裸が現われる。もし、原作に忠実に映画化されたのなら、これがどうして大ヒットしたのかよく分からない。倒錯したセックスに興味を持つのは主婦層なのか? 性描写だけが目的の映画に思われ、観終わってもなにも残らない。2時間も見せられると疲れてしまった。

 ちなみにダコタ・ジョンソンは、ドン・ジョンソンの娘。ドン・ジョンソンは、1985年「特捜刑事マイアミ・バイス」でヒットを飛ばした俳優だ。
       
       
       

監督
サム・テイラー=ジョンソン、男のような名前だが女性。1967年3月ロンドン生まれ。

キャスト
ダコタ・ジョンソン1989年10月テキサス州オースティン生まれ。
ジェイミー・ドーナン1982年5月イギリス、北アイルランド生まれ。
エロイーズ・マンフォード1986年9月ワシントン州生まれ。

不可解なこの事件。「福島の登山者2人、死亡確認=平標山から収容―新潟県警」

2015-07-05 20:15:38 | 山歩き

       
 記事を引用すると「新潟県湯沢町の平標(たいらっぴょう)山で倒れた福島県の登山者男性2人について、新潟県警南魚沼署は5日朝、救出活動を再開した。2人は病院に収容され、死亡が確認された。死因はいずれも急性心不全。同署は病死とみて詳しい経緯を調べている。
 
 南魚沼署によると、死亡したのは福島県喜多方市関柴町、会社員蓮沼芳一さん(61)と同市寺町、同真鍋守男さん(64)。
 
 2人は同市の女性(53)と3人で4日朝から平標山の登山道に入った。午前9時半ごろ、蓮沼さんが標高約1600メートルにある山頂との中間付近で、「先に行ってほしい」と声を掛け、真鍋さんら2人は先に山頂へ向かった。2人が山頂に着いた際、登山道を上って来る蓮沼さんが見えたという。
 
 この後、山頂手前で蓮沼さんが倒れているのを他の登山者が発見、近くの山小屋に通報した。真鍋さんら2人は午後1時半ごろに同署から携帯電話で連絡を受け、蓮沼さんが倒れた場所に急いで戻った。
 
 真鍋さんは、集まった他の登山者らと蓮沼さんに心臓マッサージなどの救命措置を施していたが、うずくまるようにして倒れたという。真鍋さんには心臓病の持病があるという」
 
 私も一度登ったことのある山で、ヤマケイのサイトに「平標山は群馬県みなかみ町と、新潟県南魚沼市にまたがる。谷川連峰西端の高峰で、東に接する仙ノ倉山へ続く広い稜線には、ハイマツやシャクナゲの緑地に高山植物の群落が点綴し、山上の楽園を形成している」とあり標高は1984メートル。人気の山である。

 天候に恵まれれば今の時期のんびりと登山が楽しめる。登山口は、不便なところが多い。どういう交通手段で行ったのか不明だが、私は車で沼田市方面から国道17号線の苗場スキー場の先、火打峠を右に入り河内沢に沿って着く登山口から登った。片道3時間ほどの行程で途中急登もあるが登山経験があればさして困難ではない。

 心臓病の持病がある人にはちょっと気になるが、事件の二人の年齢からは、年齢が原因とは思えない。それに偶然とはいえ、二人が倒れた時間の間隔が短いのが気になる。同行した女性の実名報道は控えてあるが、私はあらぬ推理をしている。私の推理が当たらないことを祈る。ミステリー好きには、ついこのような見方をしてしまう。

いよいよ迫るギリシャの国民投票

2015-07-04 13:57:51 | 政治

 世界が注視するといっても過言ではないギリシャの欧州連合(EU)案に反対か賛成かの国民投票が明日に迫った。

 他国の人間としてギリシャのチプラス首相を見ていると、どうも信頼が置けない人物に見える。EUの最終案を受け入れると書簡を送っておきながら、テレビで反対票を入れてくれと呼びかける。さらにきのうだったか、携帯電話料や高速道路料を無料にするという焦りを見せた。

 一国の首相がこんな裏切りとも思える行為を行うとは理解に苦しむ。選挙で国民に甘い言葉を振り撒き当選した手前、自分の掲げた政策を降ろすわけにいかない。猪突猛進とはこのことだ。 当然のことながらEU側の信頼も失った。国民投票の結果がどうであれ、迷走するような気がする。

 そこで連想するのは、2009年に政権をとったわが国の民主党だ。大風呂敷を広げた点ではギリシャの政権と酷似する。いまだに思い出して笑ってしまうのは、高速道路の無料化だ。税金ですべて賄うことになるが、どこのそんな金があるのか、また信号のない無料の道路となれば車が殺到し大渋滞になるのではと当時夕飯時に我が家で話題になった。

 事業仕分けで出てくると思ったのかもしれないが、あれも大した金額が出てこなかった。今は笹子トンネルの天井崩落事故もあって、時間帯による割引制度の見直しなどで実質値上げ状態だ。結局思いつきの政策といわれても仕方がない。ギリシャも同じ。両国の国民も反省しないとね。甘い言葉には毒がある。

判事が殺人容疑で逮捕される。明らかになる家族の確執「ジャッジ 裁かれる判事’14」

2015-07-02 17:30:03 | 映画

             
 罪人を弁護して無罪放免させるので、刑事からは目の敵にされる凄腕の弁護士ハンク・パーマー(ロバート・ダウニー・Jr)は、妻の裏切りに腹を立てながら、母親の死を受けて実家へと急ぐ。

 実家には判事の父ジョセフ・パーマー(ロバート・デュヴァル)、兄のグレン(ヴィンセント・ドノフリオ)、弟のディル(ジェレミー・ストロング)が残された家族だった。

 父ジョセフは、自分の思い通りに家族をコントロールしていて、パパとかダディは許さず「判事」と呼ばせる。帰郷したハンクにも、車を止めるのは前向きにしろと小言を言う。

 実家のリビングは、判事の妻の逝去のお悔やみのために裁判所や警察、関連する役所の人々が多く集っていた。ハンクもその中の一人としてリビングの片隅に立っていた。そこへ判事が帰宅した。

 親しい人とはハグを交わし、握手とねぎらいの言葉が取り交わされる。ハンクに気づいた判事は無表情だ。ようやくハンクが近づき握手をした。

 車の止め方を注意されたあとグレンに言ったのは「客にはハグして、僕には握手。ピカソの絵みたいな家族だ」確かにピカソの絵ってよく分からないよね。この映画の脚本家も分からないらしい。

 帰宅の飛行機にグレンから電話が入る。「父が殺人容疑で連行された」いよいよ息子のハンクが父親との確執を乗り越えての弁護活動がうまくいくのか。映画は克明に描いていく。

 俳優の力量もありセリフも気が利いていて音楽とあいまって落ち着いた家族の物語に仕上がっている。

 さて、陪審員の評決は、第一級殺人罪は無罪。故殺のほうは有罪とされた。判事の量刑は、4年の懲役だった。即収監される。ハンクは負けた。くやし涙が流れる。

 父ジョセフは進行性のガンという持病もあったのか、嘆願書で7ヵ月後に釈放される。このあたりの描写が印象的で、ハンクと元恋人サマンサ(ヴェラ・ファーミガ)とのよりが戻る場面のセリフがよかった。

 サマンサ「私が知ってる中で最低の男 悔しいけどあなたを愛していたし今も愛してる。どこが好きかって、自分勝手なくせに優しいところ。悪ガキのくせに悪ガキが嫌いなところ。でも他人のことを分かったように言うでしょ。その達者な毒舌でみんなをやり込める。そばにいると自分が消えるの」このセリフをヴェラ・ファーミガは、見事な抑揚で表現していた。

 本来、人間の愛はこういう風に整理してみると、複雑怪奇で100%文句のつけようがない父親がいないのと同様、男と女の関係にも言える。家庭もこういう理解しがたい部分で成り立っている。それが軋轢として表面化する。それも時間の経過でようやくハンクに向けて「最高の弁護士として、私はお前を選ぶ」と父ジョセフ。余情の残るいい映画だった。
       
       
       
       

監督
デヴィッド・ドブキン1969年6月ワシントンDC生まれ。

キャスト
ロバート・ダウニー・Jr1965年4月ニューヨーク州ニューヨーク生まれ。
ロバート・デュヴァル1931年1月カリフォルニア州サンディエゴ生まれ。
ヴェラ・ファーミガ1973年8月ニュージャージー州パサイク郡生まれ。
ヴィンセント・ドノフリオ1959年6月ニューヨーク市ブルックリン生まれ。
ジェレミー・ストロング出自不明