題名はもともとWhile America Aged: How Pension Debts Ruined General Motors, Stopped the NYC Subways, Bankrupted San Diego, and Loom as the Next Financial Crisis(アメリカは歳をとった 年金がGMを蝕み、ニューヨークの地下鉄を止め、サンディエゴを破綻させて、次の経済危機を)という題名だ。さらリと読める内容です。<o:p></o:p>
この中の3事例を見ると、労働者の低賃金、組合活動、年金の設立、将来の負債として分かっていながら年金(および健康保険やその他のフリンジ・ベネフィットの)などの積み増し、そして破綻へというケーススタディが書かれている。<o:p></o:p>
手当て、年金などの経済記事を見ると日本の大企業ではもはやなくなりつつあり、あるとすれば公務員の世界だけかもしれない。だが、このような先送りや、将来収益の計上(エンロン 等)もある。労使の利益配分が投資家も巻き込んで「企業価値」の増大が言われているが、隠し債務には目の届かないことが多い。これは要注意である。<o:p></o:p>
次に、公務員の労働意欲向上のための年金があった様だが、適正水準の物差しがなく各自治体や局単位でその場の対応とその時の対応となり将来も見えなかったのが問題だ。売上が下がるなど前提のない時代だから出来たのだろう。現在は、デフレ気味でしかも需要減の時代となっている。<o:p></o:p>
こういう「見えない」債務とその支払いのための実質給与の高さがGMを蝕んだと分かった。アメリカにも終身雇用に近いものはあった。あわせて経営の判断も揺らいで、当面儲かるものを作った。企業はその歴史で暖簾を作るが、自身にのしかかる重みや経営の課題も作る。<o:p></o:p>