もともと、大型都市開発が専門であった。その背景は投資としての開発は需要を呼び、都市の活力に寄与するとの思いがあったのと、80年代初頭はアメリカ大型開発(アトリウム、複合開発、アンカーテナントとしてナショナル・チェーン(GMS、デパート))が憧れであった。<o:p></o:p>
それが、バブル崩壊後は開発が重荷とされるようになった。大阪のWTC,ATCが代表であろう。作る前に、開発の前提である需要や都市発展の予測が十分に検討されるべきだという教訓を残した。<o:p></o:p>
更に都心の地価下落から都心居住、つまりはコンパクト・シティが自立的に始まった。パラダイムの転換である。<o:p></o:p>
先にご紹介したクリエイティブ都市論に「アメリカ大都市の死と生」(1962ジェイン・ジェイコブズJane Butzner Jacobs)が引用されていた。久々に読んでみると、コルビジェなどのモダニズムやFederal Burudozar(公共がスラムを壊して再開発)に反対していた頃の著作だが <o:p></o:p>
都市の4原則として:<o:p></o:p>
①用途の混合:単一用途のモザイク都市にしない<o:p></o:p>
②街区と街路の小規模・不規則性:界隈性のある歩ける街<o:p></o:p>
③建物年代の分散と調和:まっさらの建物ばかりにせず歴史を生かす<o:p></o:p>
④高密度化:高密かつ住民の多様化<o:p></o:p>
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がある。けだし卓見で、40年後の日本では当たり前になっている「コンパクト・シティ」の考え方と全く同じである。<o:p></o:p>
今の都市計画、都市経営はエコで「現在ある資産の活用と育成」をテーマとしている。例えば、景観、教育、安全性など街の資産価値維持向上などはその現れだ。都市経営からの効率的投資を判断し、都市間の競争からの生き残りと生活者(住民、利用者、観光客など来街者 など)の満足度向上が要点となる。<o:p></o:p>
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拙研究はもともと供給としての都市開発であったが、いつの間にか、需要よりの都市経営に変容した。10年一昔とはよくいったものだ。