都市と楽しみ

都市計画と経済学を京都で考えています。楽しみは食べ歩き、テニス、庭園、絵画作成・鑑賞、オーディオと自転車

昨年の読書とお奨め本

2011-01-02 08:41:50 | 趣味

 昨年は360冊程でした。珍しく、8,9,11,12月が少ないのは、旅行やテニスを熱心に楽しんだため、厚い本でしかも上下刊が多いため、のめり込むような面白い本(特にミステリー)が少なかったためと思います。内容は主にミステリーですが、今年は特にマクロ経済、純文学が多くなりました。<o:p></o:p>

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 日本の新本格派ミステリーが限界なのか、印象に残ったものが少なかった。そのかわり、軽く、楽しい日常型のミステリーが多いようでした。<o:p></o:p>

海外ミステリーには良いものが多かったのですが、訳に問題があるもの、また人名が、あるときは姓であるときは名に分かれ、エリザベスがベス(短縮形)になったりして分り難いのが難点です。直訳よりも分りやすさが欲しいものです。<o:p></o:p>

ミステリーの雑誌の評価とは大分違います。京都や食べ物系のミステリーが多いのはご愛嬌。<o:p></o:p>

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昨年のベスト3は;<o:p></o:p>

「奇想宮殺人事件」 芦辺拓 で、薀蓄とペダントリーが特徴で時間をかけて楽しむべき本です。面白く大きい仕掛けですが最後のメタミスは残念。<o:p></o:p>

「ツーリスト」 オレン・スタインハウアー              懐かしいエスピオナージの復活、交錯する伏線、人間関係、情報、これは昔のミステリー、ラドラムの「暗殺者」を思いだす。<o:p></o:p>

「丸太町ルヴォワール」 円居挽 これは森見さんと同じく京都舞台のファンタジーだ。岡崎の祖父殺しと謎の女ルージュを「双龍会」で裁判、麻雀、将棋用語が飛び交う。あまり例の無い作品だ。トリックと入れ替わりと凝っているが文体は非常に読みにくい。<o:p></o:p>

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一般的なミステリーでは<o:p></o:p>

「隻眼の少女」 麻耶雄嵩 親子二代の探偵が殺人事件を捜査、レッド・へリングがいっぱい、結末は無理があるが本格派。<o:p></o:p>

「アルバトロスは羽ばたかない」 七河迦南 読みにくい、叙述トリックも。春夏秋冬の事件と転落者と犯人、じっくり読む本。<o:p></o:p>

「窓の外は向日葵の畑」 樋口祐介 幼馴染の女幽霊と学園の秘められた復讐と相関関係、ラストの乗り移りが面白くユーモラス。<o:p></o:p>

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最近多い歴史ミステリーでは<o:p></o:p>

「天主信長」 上田秀人 大仕掛けのトリックよりも戦国時代の描写が秀逸。なんと臨場感あふれ洞察のある書き手か。<o:p></o:p>

「天地明察」 冲方丁   数学、天文学、江戸幕府の中での人間関係としきたりの中の苦労が忍ばれるなかの創造に感心、保科正之「民の生活向上」も勉強になる。<o:p></o:p>

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豊作だった軽めの楽しいミステリーでは<o:p></o:p>

「挑発」 笹本稜平 笑える不良刑事とヤクザが警察官僚とパチンコ社長に対決。痛快、秘書が出色、文体が逢坂剛の禿鷹みたい。<o:p></o:p>

「メグル」 乾ルカ 優しいまなざしと不思議、大学のアルバイト案内係<o:p></o:p>

「和菓子のアン」 坂木司 和菓子の知識、楽しい謎、ぷにぷにのほっぺとむにむにの二の腕<o:p></o:p>

「トッカン」   高殿円 笑える、グー子の京橋国税取立てもの。謎が楽しく、人が面白い<o:p></o:p>

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さらに豊作であった海外ミステリーでは<o:p></o:p>

「ソウル・コレクター」 ジェフリー・ディーヴァー 個人データを利用したシリアルキラーの正体、ライムの確執、読み進める<o:p></o:p>

「犬の力」 ドン・ウィンズロウ   大化け、麻薬取締官、マフィア、政府、大きな悪、むなしい人生でも闘う素晴らしさ<o:p></o:p>

「夜の試写会」 SJ・ローザン   男女二人組みの探偵、小編集、粋で謎が考えられている。<o:p></o:p>

「震える山」 CJ・ボックス 大きな策略、感動的な結末<o:p></o:p>

「卵をめぐる祖父の戦争」 デイヴィッド・ベニオフ お祖父さんのソ連での戦争と結婚、ばかばかしい動機と冒険楽しい<o:p></o:p>

「愛おしい骨」 キャロル・オコンネル 圧倒的な描写、絡まる人物、だんだん解き明かされる弟の死の謎<o:p></o:p>

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純文学では<o:p></o:p>

IQ84 」 村上春樹              併行する2つの主体と関係、純文学でなくてミステリー<o:p></o:p>

「六つの星星」 川上未映子 形而上と形而下の狭間、入れ子、シニフィアンとシニフェの間、楽しい発想<o:p></o:p>

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経済学などでは<o:p></o:p>

「フリーフォール」 ジョセフ・E・スティグリッツ 金融の権益、政府保護、だまし、碩学の世を憂う指摘<o:p></o:p>

「予想どおりの不合理」 ダン・アリエリー   遅れて読みました。楽しく笑えるMITもの、この実験は楽しい思いつきだ。イグ・ノーベル賞受賞<o:p></o:p>

「ジャズ喫茶論」 マイク・モラスキー 読みやすい文章、詳細なヒアリング、面白い切口、楽しめる日本文化研究、これはお奨めします。<o:p></o:p>

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今年はさらに本を選んでゆったり読もうと思っています。 <o:p></o:p>

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コメント
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