都市と楽しみ

都市計画と経済学を京都で考えています。楽しみは食べ歩き、テニス、庭園、絵画作成・鑑賞、オーディオと自転車

これから「正義」の話をしよう Justice マイケル・サンデル:知的興奮が久々に

2011-01-19 06:00:50 | マクロ経済

知的興奮がある。政治・哲学の側面から正義の幸福、自由、美徳から分析しコミュニタリアニズム( http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%B1%E5%90%8C%E4%BD%93%E4%B8%BB%E7%BE%A9 )からの主張だ。<o:p></o:p>

 幸福は功利主義の検証でものさしの多様性の指摘がある。自由はリバタリアンの検証、ミルの自由論の分析と、パターナリズム(温情主義)、道徳、富の再配分を切口に問題点の指摘がある。まさしく自由主義の粋過ぎへの警鐘だ。次にカントから道徳の観点を導き「理性」と「感性(欲望)」の対比から論を進めている。更に、ロールズの「正しさは善に優先する」を訝り、「負荷なき自己」でなく、コミュニタリアンとしての論拠と主張を述べている。結論として「コミュニティ意識」、「市場の道徳限界」、「格差と財政・公民の悪影響」を採り上げている。<o:p></o:p>

 読み物としてまとまりが良く、分かりやすい例示があり息もつかず読み進める。しっかりとした軸がある。<o:p></o:p>

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都市計画も同じようなパラダイム・シフトがある。開発できる、利用できる「自由」から また収益の「幸福」から 住まう、訪れる「幸福」と街を維持し、互いの結びつきを重視している。「美徳」ではないがコミュニタリアニズムの発想がある。<o:p></o:p>

最近の都市計画の関連で着目されている社会学は多い。パットナム「孤独なボーリング 米国コミュニティの崩壊と再生」からの指摘だ。スティグリッツ「公共経済学」、クルーグマン「空間経済学」 これらを統合した 都市経済学や都市経営学の発展もある。いよいよ都市計画も幅広い研究と教育が必要だ。地図に色を塗るのやフィールド調査に加え、より幅広い「智」を学ぶ必要がある。<o:p></o:p>

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都市計画にも必読の書だ。<o:p></o:p>

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( 筆者は芸術の美に関心が薄いようだが、人生の質に加えて頂きたいものだ。美味しい食事や、古典芸術(お作法のあるもの)の楽しみは違う。「シンプソンズ」を越える「オペラ」の体験は貴重だ。 <o:p></o:p>

なお、術語の日本語訳がどうもしっくりこない。原著を取り寄せてみよう。)<o:p></o:p>

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コメント
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