大阪都構想について「GDPと人・物・金を呼び込み、都構想は手段にすぎない」との記事があった。なら効用も明らかでない都構想を政策のテーマにするのは矛盾がある。次に橋下知事自身が弁護士会の懲戒処分も受けているが、その説明がない。正義なら美徳を重んじる必要があるのは、最近流行のハーヴァード教授 マイケル・サンデルの論にもある。<o:p></o:p>
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大阪市などの政令指定都市をおかしいとは思わない。きめ細かく、独立した計画の必要性から権限の地方への譲渡は都市計画などで多い。それを、特殊な自治体(東京府と東京市の統合)である東京都にならうのは問題がある。東京の活力は東京都のシステムにあるのではない。全総の歴史( http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%A8%E5%9B%BD%E7%B7%8F%E5%90%88%E9%96%8B%E7%99%BA%E8%A8%88%E7%94%BB )を見れば、過疎過密から始まり東京の一極集中こそ問題だ。となると、大阪は東京都の2眼レフでもなくなり、単なる地方の大都市(人口なら大阪市より横浜市が大きい)にしか過ぎない。<o:p></o:p>
となると、大阪の独自性はなにか、強みはなにかを都市経営の基盤として考えるのがあたりまえだ。そのためには製造業の東大阪クラスター、大学の北摂クラスター、商業・オフィスの梅田クラスター、船場など歴史のある本町クラスター、大阪芸能文化の難波クラスターなどを取りまとめ、機能発揮と分化を都市経営として考えるべきだ。もちろん、財政破綻もあり、リストラ、効率化は当たり前でこの議論も無い。大阪市もこの点は同様だ。<o:p></o:p>
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大阪の再生のためには、国の権限を委譲し、関西州の推進が必要だ。もともと橋下知事は関西州の論者ではなかったのか。関西の一体化は東京への集中に対し、住環境、緑、歴史のアメニティがあること、都市がコンパクトであること、人情があることなどで優位性を発揮し、更に、企業精神が旺盛なこと、大学などがあること、ハイテク企業の集積もあることなどで企業の誘致を受け皿となる都市改造を考えるべきだ。大阪府と大阪市の統合である大阪都構想は「小さな発想」で、国と対峙する矜持も感じられない。<o:p></o:p>
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大阪州都でも知事はWTCへの府庁移転を拘っているようだが、距離とアクセスから東京の中心が、羽田近くになるようなものだ。中心としては梅田が最適で、WTCと言い張るなら関西州の州都は京都のほうが賛成も多かろう。<o:p></o:p>
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関西州への大きな夢がなく、近親の争いに近い、ゼロ・サム(マイナス・サム)戦略は不毛だ。大きな絵を描ける人材の不足は人災だ。<o:p></o:p>
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