都市と楽しみ

都市計画と経済学を京都で考えています。楽しみは食べ歩き、テニス、庭園、絵画作成・鑑賞、オーディオと自転車

デフレというより物価安定の給与減ではなのか:2%のインフレ期待は危険だ

2012-12-24 07:21:54 | マクロ経済

 デフレの要因は簡単だ。日本では給与も減るばかりであり、これが需要減となり、デフレが進行した。供給面から考えると、この10年は新興国の成長期であり供給が増えすぎたからだ。今の円高はオーバー・シュートだ。現に中国のGDPの伸びは減速している。日本のバブルの終焉を思いだす。<o:p></o:p>

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円高の要因も簡単でアメリカでもヨーロッパでもこの20年インフレがあり、お金の価値が下がった(割り戻された)。つまり、インフレの差が円とドル・ユーロの間にあり、購買力や金利平価からも円高は当たり前だ。<o:p></o:p>

逆に考えると日本の労働力は円ベースでは割安になったはずだ。しかし、今度は輸出力ベースで工業生産拠点であるアジアに比べて割高だという。なら、円高なのに国内の物価、つまりは日本で生活費が高いのは何故か。アメリカ、ヨーロッパでも食料もエネルギーも安い。円高による物価の下落が感じられない。これでインフレになったら「食品が高い」にならないか。数年前の小麦粉高騰では「たこ焼が高くなる」と騒いだのはどうなったのか。輸出産業と国内産業の乖離もあるが、物価の下方硬直性(なかなか下がらない)もあろう。<o:p></o:p>

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次にデフレ対策と経済対策として、(ΔG)公共投資に期待するしかない。しかし財政赤字に目を転じると、通貨供給の増加(国債の日銀購入)は借金の肩代わりで信用危機の恐れがある。さらにインフレ期待でインフレが進行し、その割りに消費が伸びない(税収も伸びない)と生活不安と経済停滞の恐れがある。となると日本の信用はさらに落ちて国債金利は上がり、インフレの更なる進行が懸念される。つまりは政治のポピュリズムによる(短期政策)行き過ぎの防止、長期的な政治・経済理念の提示、適性な公共投資と経済効果のチェックが必要だ。<o:p></o:p>

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今回の日銀の通過供給政策(ΔM)は流動性の罠の現在、経済に効果があるとは思えない。20年の間、クルーグマンのじゃぶじゃぶ資金供給でもうまく行かなかった。むしろ、プラザ合意の低金利がバブルを呼び、その後遺症が長引いたのを思い出そう。今回も宴の後、財政累積赤字拡大、金利上昇、経済低迷が怖い。公共投資は特に、決定、入札、実施の期間が長く、いざインフレとなっても取り消しが効かない。これがバブル後の都市開発の惨状であったのを思い出す。(当面はバブルと同じで行き先を求める資金により不動産株や投信の値上がりがあるのではないか)<o:p></o:p>

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通貨供給拡大によるインフレ期待には懐疑がある。更に行き過ぎを止めるブレーキにも懸念がある。本当にやるべきは経済の質的改良である格差是正と若者の雇用と教育が喫緊の課題なのに手をつけない。<o:p></o:p>

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公共投資しか頼りにないが財政赤字や過剰投資となり危険な方策でもある、インフラ整備や教育、テクノロジー分野など適性、公平、公正な投資に限るのが良い<o:p></o:p>

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