年に一度くらいの来訪だが覚えて頂いている。今晩は若い方を連れて3人で盛り上がる。口開けにお話しをして、ご主人の奥様への思いが胸をうつ。最近はご主人もちょっと腰かける。お互い齢をとった。奥様への視線がなんとも優しい。
初めての二人には
・穴子の肝煮:ぶりぶり太くてお代わり、これは凄いここでしかないお味
・穴子煮(伝助穴子か、煮凝りがうまい)
・海藤花(かいとうげ):蛸の卵、これもここでしかないお味
・鯛の子煮付け
・鯖、鯛、平目のきずし
・卯の花
あたりを楽しんで、赤星ビール(東京に多い)、ひれ酒、ぬる燗を2時間とすこし楽しんだ。
特に、穴子の肝の調理は手間が原価よりかかるのは素晴らしいお味だと話す。別のお客様とも京都話や神戸話でもりあがる。
ここは甘目の出汁だ。嫌いではないが、塩が薄い。久々に松茸吸い物(500円で堪能)とぬる燗でたのしむと酒は切れるお味だが出汁がぼんやりとする。二杯目ももらって酢橘まで絞ってもらったが、嫌味がなくすっきりだがお酒の相手にならない。東京の蕎麦屋の抜きがもっとお酒のお供に良いが、これはこれでじっくり飲めるお汁だ。それから京都に帰ってバーで飲めるくらい「食べ物」としての吸い物だった。松茸も大きなのが入っていて翌朝まで香りがした。構成は松茸、鰤、豆腐に柚子などでボーっと表面に浮かぶ脂を見ていると幸せだった。
出汁について:神戸が甘目でときどきイリコ風味もある、京都が塩を響かせたあっさりの出汁は真昆布(すっきり)と鰹(鰹組合があるくらいだ)、中間がやや甘目でぼんやりした大阪(塩、砂糖、昆布と様々な節)かもしれないなぁと感じる。東京は鰹と味醂、醤油のトリオで分かり易い。
関西と関東の経験が多いためか、自宅では羅臼昆布、本枯れ節、本醸造の濃口醤油と薄口は小豆島で塩にはこだわってない
永く続いてもらいたい神戸の居酒屋の「あがり」だ、なお、最近は馴染み以外はお断りのようだ