Lafinoで買い、無料ガットは柔らかの場合お勧めのBabolat Addiction(マルチ・ファイバーは常用の850Xと同じ、但し形状はBrioが近い)を54lb.(冬仕様)で850Xよりちょっと固めでニュアンスは乏しい。
重量は286.5g(DR:291)、バランス328㎜(327)、スイングウエイト283(278)kg・cm2のため、軽いが、頭が重いのが分かる。実際、上と下が直線に近くなり、角が角張り、Babolat Aero Drive似からヨネックス伝統の「弁当箱」型に先祖回帰した。
今回はBabolat WooferのようにRの付いたグロメットで通し方も上下左右で決まっている。ガットの動きを滑らかにして力を増している。まずは試しにスライス・サーブを打つと、速く、しかも回転が掛かっている。
構造はグリップから太いシャフトがフェイスにつながるのがBabolat Aero Drive に似ている。今回、形状は丸ではなく角ばり、そこを補強した感触のフレーム(DRはこの部分が薄い)、面で跳ね返すのから押す力が伝わるのを感じる。ブリッジは8本通しで好きな仕様。
一度受け止める打感、回転が掛けやすいのは変わらず。面の安定はあるが、反発は少なく 押してつぶすタイプ。VCOREを混ぜたような感覚で粘りがある。しかし、食い込まれても面で返せる。回転量は多めでドライヴがすとんと落ちる。
受け止める打感はボールとの接触時間が長く、前後・左右の打ち分けと距離のコントロールに加え、今回のモデル・チェンジには「力が伝わる」リニアな感じと体重が乗る弾の飛びがあり技と力の両立となっている。
しかも柔らかい打感と、より振動が少ない親切設計、柔らかいガットならより体に優しい。
DRとEZONEの違いは:
・弾道は回転で更に落ちる、フレームは重みを感じ粘り感があり力が伝わる
・フォアは威力のある速さにドライヴの回転があり、しかもコントロールできる
・バックのドライヴはあっけなく簡単、フォアより面白い、スライスも簡単
・サービスは振り切ると速く、回転がかかる
・ボレーはスライスを十分かけないと飛んでしまい、地を這うボレーにならない、踏込みで押すと効果的で足元に決まる
全体にDRは丸い面の反発と薄目のシャフトで最後にパーンと飛ばしたが、今回のEZONEは面の安定(スイート・スポットの広さ)に粘りのシャフトとヨネックスのお家芸復活で更に進化した。更なる振動の無さも特筆できる。
コントロール系で飛ばす技巧派だったが、更に力で押せる武闘派の振れるラケットに変身した。しかし、振って重みが増したのも感じる。この辺りは、人を選ぶかもしれない。
3か月後に850Xにガットを替えると、受け止める柔らかさ、反発力(飛び)、ニュアンス(正確なロブ)など、圧倒的にこちらが良い。また、楽しい。
なお、Babolat Aero Drive は固く肘に負担を感じたが、YONEX EZONE 98 LGと850Xでは全く感じなかった。