歴史ものとしては面白いが、庭全体を考察する視座ではない。歴史と人物、建築のまた聞きが多い。桂離宮についての関係する歴史の勉強としては良いが、全く芯が通っていない、ぶらぶらした著作だ。
当方は桂離宮を百回近く拝観した。平面図や立体図も頭に描ける。しかし、大事なのは飛石を踏む足の裏だと思う。飛石は考えられている。石の違い、形態の違い、高さの違い。これが、乾いたとき、雨に濡れたときも目に表情が違う。
閑話休題、知見は:
・住吉の松と高砂の松(石浜)
・愛宕山と比叡山の軸
・白川石と反り橋→屋根のむくりとのつながりよりも、桂離宮はすべて「むくり」屋根であり女性的というのが特徴だ
・軒先の樋と雨落石(溝)→桂離宮の特色ではない、神社と寺社の違いか
桂離宮に関心のあるかたのみ、一応、読んでおくに損はない