「ハチの主」だった庭大王に連れられ新生ハチを初訪問。なるほど若い夫妻の運営になっている。席や店内は同じだが、カレーのお味は近代化されている。ヒアリングによると、新旧で下記の相違があるとのこと<o:p></o:p>
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・ハチの赤缶(純カレー?)→スパイス仕上げ<o:p></o:p>
・マスタード 強め→弱め<o:p></o:p>
・煮込み2~3日→1日<o:p></o:p>
・玉葱少な目→大目<o:p></o:p>
・小麦粉大目→少な目<o:p></o:p>
・肉大目→少な目<o:p></o:p>
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全体に旧ハチをベースにした、しゃばしゃば印度風肉のせカレーというべきものだ。ルーはご飯に染みとおる。カレーをかけたでなく、カレーをかぶったというお皿の風景だ。お味も近代的になったが美味しさの魔法も消えた。「(これはこれで)普通に美味しいカレー」で「ハチ」のカレーではない。フォルクスワーゲンでリアエンジンの元祖のビートルと、ゴルフを基にしたフロントエンジンの現行のビートルくらい違う。<o:p></o:p>
庭大王いわく「脳に住み着く、また食べたいという常習性がない」。確かに、辛さはあるが、肉は少なく、粘りもなしだとイメージは大分違う。旧ハチのカレーにはとろみとまったりしたしつこいスパイス、甘めの肉たっぷりで重なる旨味があった。しかも日本風のカレーとして独自性があり唯一無二だった。<o:p></o:p>
小麦粉でのとろみが日本風カレーの真髄かも知れない。インデアンカレーもねっとりしているのが特徴だ。(固まらないようにいつもかき回している)カレーと小麦粉では「にっぽん味の職人物語(小菅桂子 1985)」に函館の「印度カレー小いけ」のインドカレーが出てくる。七輪の炭火で小麦粉とバターを1時間半も「カラこがし」の手法で炒める。次にカレー粉を加えて30分炒めるとカレーの素ができるとある。(この著作の出版時にもはや閉店していて味は想像でしかない)この粉の味と粘りは独自のうまさにつながるのではないか。中華も餡かけが多いし、洋食もこってりした粘りのドゥミグラス・ソースもある。<o:p></o:p>
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ルーのお代わりもできて、ルーの海にご飯の島みたいになる。とにかく汗がでる。辛いのと、汁気が熱いからだ。タオルは必須だ。最後に例のマスタードを感じた。しかし、食べた感じがカレー雑炊みたいだった。これはこれで美味しいが、魔法のようなハチの味を期待して行くと肩透かしにあう。<o:p></o:p>
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独自の味は発展させにくい。先ずは復元からではないだろうか、それともハチとスズメバチは違うのか<o:p></o:p>
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