「K好む国」というのは日本のことです
大分前になりますが、5~6年にわたって和英辞典編纂のお手伝いをしたことがあります。
当時一緒に作業をしていた人が、あるとき
「日本人はKが好きね~!」
確かに「あいうえお」方式(つまり普通の国語辞典)で見ると「かきくけこ」のページが多いのです。
ローマ字綴りにするとKで始まる単語。K音の響きが日本人の耳には「さわやか」なのかも

因みに「さしすせそ」も多いです。「さくら」なんて、音感からも日本人好みかな

以前に辞書で各音列のページ数を数えて控えたのですが、メモが見当たらないので詳細数値は省略
これは、その和英辞典の表紙

編纂者は「気」という字が「お気にいり」(気合とか気迫など)
上から見たところ
ところで、この辞典は、普通の和英辞典ではありません。
と言うのは、日本語を知らない人でも、漢字を調べることができるからです。
漢字の「形」、つまり偏や旁から目的の単語にたどり着けるのです
この辞典の編者はウィーン工科大学の教授で、若き日に東大へ留学し、ひとつの漢字を調べるのに2時間もかかった苦い経験から、偏や旁を手がかりにコード番号で目的の漢字(つまり目的の熟語)に到達する方法を開発しました
全ての漢字と熟語にコード番号がついています
大変根気の要る骨の折れる作業でしたが、今は懐かしい思い出です

この辞典は
ドイツ・アマゾンに記載されていますが、残念ながら絶版です
当時、日本で出版されている日本語に関する辞書・辞典にはどんなものがあるか、カタログで調べたことがあります。驚いたのは、日本語に関する辞書や辞典より、英語に関するものの方が多かったことです。
どこの国でも、一番大切なのは自国語で、従って、自国語に関する辞書・辞典が一番多いはずなのに・・・それとも、どこの国でも自国語より英語に関する辞書・辞典の方が多いのかな

おまけ
近くの広場:あちこちで、まだ八重桜が頑張っています
もう1本の八重桜と紫系ライラック(手前下の部分)

ライラックは、まだ咲き始めです
今年もまた
ライラックの思い出の日がめぐってきました