前回の歌から更に、似通った「おきにいりの歌」を思い出しました。
カルミナ・ブラーナの中のCB185「Ich was ein chint so wolgetan」。
「私も昔は身持ちの良い娘でした」
古い時代の音楽をオリジナルな楽器と演奏と再現する
クレメンチッチ・コンソートの歌と演奏。
実際の演奏を鑑賞したこともあり、以前は身持ちの良かった娘のパートをカウンターテノールが歌います。舞台のパフォーマンスがユーモラスでステキなのですが、そういう動画は版権などの問題があるらしく「イラスト付き」しかありませんでしたが、歌だけでも雰囲気は伝わります。
歌のおおまかな内容は・・・
私も昔は、世間でも評判の身持ちの良い娘でした
あるとき花を摘むため野原に出掛けると男が花を摘んでくれました
その男は上品に私の手をとって(でも本当は悪質な下心があったのです)
「お嬢さん、森へ行って菩提樹の下に座りましょう」
・・・以下略(成り行きが、あまりにも平凡で分かりきっているので
)
歌の女声(カウンターテノール)と男声のかけあいは、このお嬢さんとならず者のやりとりです。繰り返し挿入される「合いの手」は
やれやれ、クソいまいましい菩提樹の樹め!
クレメンチッチ・コンソートの「カルミナ・ブラーナ」は
ネウマ譜によるオリジナル版で、中世の庶民の情緒とバイタリティーが伝わってきます。
「カルミナ・ブラーナ」の歌には、
梁塵秘抄や
閑吟集に通ずるものを感じます。
一般的に知名度の高い「カルミナ・ブラーナ」は、
カール・オルフの作曲したものです。中世のオリジナルの素朴さはありませんが、迫力があります。
カール・オルフの「カルミナ・ブラーナ」