オーストリアでも新型コロナウイルスに対する臨戦態勢に入っています。
15日の臨時国会で、コロナウイルス臨時措置法が全会一致で可決されたのです。
見本市会場のホールが臨時の隔離病棟になります(15日の
HP写真)
現段階では、隔離施設のある病院に収容されていますが、万一隔離しなければならない感染者が急増した場合に備えたものです。
シュテファン寺院前の広場(16日のHP写真:ここは普段なら旅行者+地元民でいっぱい)
入院患者面会禁止を知らせる張り紙(16日のHP写真)
ボスニア語、クロアチア語、セルビア語、アラビア語の表示・・・のはずが、アラビア語が読めません。この写真の説明に「アラビア語は右から左に書くのに、この表示は左から右に書いてある」とあり納得。
オーストリアが特別というわけではありません。
北イタリアでの感染者急増以降、多くの国々が似たような措置をとっています。
15日に可決し16日から発効した臨時措置法の概要
・外出を最低限に制限する。外出は①自宅で出来ない仕事のための出勤、②絶対必要な買い物(食料品など)、③誰かを助けなければならない、という3つの場合に限る。
・大学も学校も一切授業を行わない。集会や催し物も中止あるいは延期。5人以上が集まることを禁止。
・店舗も不要不急の店舗は臨時休業。スーパーなど食料品を扱う店、薬局、銀行、キオスク、ガソリンスタンドなどは営業継続。
・散歩などで外出したいときは1人で出掛ける、あるいは同じ家に住んでいる家族とのみ出掛けること。
・兵役期間中の人々の兵役延長。以前に兵役代替の社会奉仕に従事した経験者の志願要請(既に数千人の志願者があったそうです)。
・博物館・美術館の閉館。オペラ、演劇、コンサートなども中止。
世論調査によるとオーストリア国民の73%が、この臨時措置法を支持しているということです。
更に
EUは向こう30日間、EU以外の国々からEU諸国への入国を禁止しました。これはEU以外の国々に新型コロナウイルスが蔓延するのを防ぐためと思われます。
いつものHPは、もう1週間くらい毎日、ライブニュースで時々刻々と入ってくる最新情報をアップしています。これを読んでいれば一日中PCの前に座っていられそうです。このHPには数日前から政府の広告が載っていて「外出を避けよう。人との接触を避けよう。こうして自分を護り、周りの人々をも護ることになる」と呼びかけています。
オーストリアの感染者数は16日現在、ニーダーエステライヒ州152、ウィーンとシュタイヤマルク州139、チロル254、オーバーエステライヒ州202、ザルツブルク州58、ブルゲンラント州11、フォアアールベルク州55、ケルンテン州18となっています。死亡者2人は高齢者で既にほかの病気で弱っていた人です。
特にチロル州でCOVID-19患者が急増したのは、世界的に知られるスキーリゾートで、スキー客の減少を恐れて対策の実施が遅れたためです。このためチロルはヨーロッパで最も危険な地帯のひとつとなり、観光業界にとって最悪の結果になっています。
最近のウイルス学者の研究によれば、新型コロナウイルスSars-CoV-2は通常の室温で平均4日間、長いときは9日間生存可能。空中(のチリに付着した場合)では3時間、様々な無生物の表面では24~72時間生存可能ということです。但し実験室でのデータなので、日常の場面でどうかは、まだ不明。それでも、Sars-CoV-2が空中を漂って生き続けるという可能性は極めて薄いようです。
最後に15日のライブニュースに紹介された写真
サラエヴォ旧市庁舎の夜間照明
イタリアへの連帯を表明してイタリア国旗の色に照明されています。