野草の切花の注文があった場合のことを考え意識的に草花を花瓶に生けて咲き具合や水揚げ状態を観察している。
小さな住まいだけど数箇所花が生かっている。
これも仕事の内だと思うと本当に幸せ者だ。
東京の”花の店野草”でも野草は採集して売ってはいたが仕入れた花と同じ冷蔵庫に入れて管理していて一日中そばに生かっていた状態ではなかった。
毎月一日に開かれる切山昌平校塾へ行ったとき農作業をしている女性より珍しい白花のオオバギボウシを畑のそばのバケツで水揚げされていたのをいただいた。
重要文化財の真鍋家のお墓のまわりには群生している。
9月より勉強会にも一緒に行くようになったふきのとうさんは春になって少し芽が出たとき一株ほしいともう目をつけている。
いただいたときはつぼみがいっぱいついていたが花は咲いてなく咲き終わった花がたれてついていた。
花の店野草を開店する前の年大学の寮へ泊まりながらの短期の語学研修で西安へ行き先生の家へ夜皆で御呼ばれに行ったとき、ギボウシは別名はなかんざしというんだと聞いたのを思い出した。
夜生かっているギボウシのそばを通ったときとても良い香りがした。
ふと見るとパチッと華やかに咲いている。
私がいままでみたギボウシの花は半開きか咲き終わったのが多かった。
こんな良い香りがするとも知らなかった。
枯れた花がたれるからはなかんざしかな??なぞとフト考えたのが恥ずかしい。
夜見事に開き良い香りを放つ花でないとかんざしをつける意味がない。
つぼみの状態で切花にするとなかなか次の花がきれいに咲かないのが多い中、このオオバギボウシは小さなつぼみまで華やかに次々と夜に咲き良い香りを放ちつづけてくれた。
したたかで美しい花だった。
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