鵜島行きフェリーに乗ったのは13:25分。
その日の干潮は18:50分。
海岸で創作するときは今のところ干潮の時がいいと思っている。
そんなに潮が引いてなくてもいい作業場になる場所もある。
今回鵜島で作業場に予定しているのはそんなに引いてなくてもいい場所だ。
”船隠し跡”。
驚いた。
ご丁寧に廃船が流されないようにロープでつながれて置かれているので一目でわかった。
満潮より1時間ほどたったころの状態だったが満潮でも岩場をほんの小さくくりぬかれたような海岸は全部海になることはないようだ。
去年の作業場だった荒神の瀬戸とはまじかだが雰囲気はかなり違う。
設置されている廃船もいい素材になるだろう。
”船隠し”に降りるまでは見事な竹林。
竹も素材にしたい。
鵜島は過疎の島だ。
ミカンの花は咲き始めていたが放棄されツル植物に覆われて枯れている木もよく見かける。
一面クサフジの紫の花に美しく覆われている枯れた木もあった。
何かしら島では新しいことが起こっている。
去年の下調べでは連絡船の待合所がピンク色に塗り替えられ”鵜島カフェ”になっていたのには驚いた。
島民による週2日の営業で続いているか心配していたが営業されていた。
連休中も2日開かれていたようだがその日は休みだった。
新メニューとして巻きずし定食も増えていて盛業らしい。
高台にある神社跡には宝くじ財団の寄付により桜も植えられていた。
フェリー乗り場には大阪と広島ナンバーの大きな車が2台止められていた。
大きな車で来ても島の道路は細くて走れない。
4:17分の出発前に若い男性数人と中年夫婦があらわれた。
ご主人より旅行ですかと尋ねられ年2回来てますとの返事に喜ばれた。
過疎化する島の現状をとても心配していた。
島出身で広島に住んでいる御夫婦と離れて住んでいる息子さんが友達を連れての里帰りらしい。
フェリーには車一台しか乗れないので注意と書かれていたが大きな車が2台乗れた。
去年まではいろんな乗り物の座席を寄せ集めて作ったユニークな座席だったがテレビまで設置されきれいにそろった座席になっていた。
同じところへ通えばこそわかる変化だ。
何回も通っているが島に対する興味は尽きない。