タダジロウの事をを考えながら椅子を創作するが全くイメージの違ったものになっていく。
この椅子はタダジロウの戦友であり親友のトクナガオッサンだと確信して楽になった。
タダジロウには2人の親友がいてもう一人は同級生でジツゴロウと言う。
勿論2人ともこの世にはいない。
タダジロウに自分の椅子だけでなく親友2人の椅子も作れと言われた気分だ。
トクナガオッサンは東京に事務所を持っていたので雷おこしが定番のお土産だった。
丸い缶にいろんな形の雷おこしが入っているが私たち兄弟の好みは一緒で取り合いした思い出がある。
オッサンは色黒で赤ら顔で金歯。
母は鬼瓦みたいだと言っていた。
一銭もなくても東京から汽車で帰る自信があるがタダジロウはできないだろうと言ったと聞いたことがある。
元気はつらつ才気走った男だった。
子供はいなかったがお妾さんはいた。
タダジロウにはお妾さんはいなかったが私たちがいた。
まだ山裾に料亭があった頃自転車をこいで料亭に向かう楽しそうな2人の姿を何度か見た。
トクナガオッサンの店の番頭さんが内の店が傾いてもタダジロウは助けてやってほしいと言われているとタダジロウに言ったそうだ。
そんなに困っていたのかと考えるが信頼しあった関係だったのだろう。
小さかった子供の目からも羨ましいような雰囲気だった。
出来上がったトクナガオッサンの椅子。
角度を変えて。
トクナガオッサンは蟹股だった。
椅子の部分。
はじめ用意した素材。
上ソヨゴ、アケビのツル、竹の根。
第15回クラフト展(イエツアオグループによる)
”内村セツ子7回忌展も兼ねて”
日時 3月24日(日)~4月7日(日) 10~18時
場所 ギャラリー作唯 四国中央市金生町742電話 0896-72-6808
参加者 内村セツ子 廣瀬瑛子 櫻沢孝枝 川窪万年筆 中根繁子 小村澄子 尾藤千代
イエツアオ
角度を変えて。
角度を変えて。
ちょっと蟹股風。
トクナガオッサンは蟹股でノシノシと歩いていた。
上から見ると。
この素材をベースに作ろうと思ったときはタダジロウの椅子にする予定だった。
左はソヨゴの2又、下は竹の根っこ、上はアケビのツル。
ツルを脚にするのは初めてで苦戦した。