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世界潮流を読む 岡崎研究所論評集
2019年2月8日
いよいよ本格的に走り出したTPP11
岡崎研究所
»著者プロフィール
CPTPP(TPP11)は、昨年12月30日に発効したばかりであるが、時を置かず、1月19日、TPPの参加国11か国は、閣僚級の「TPP委員会」を東京で開催、閣僚声明を発表した。声明の抜粋は以下の通り。
(ByoungJoo/dikobraziy/NaokiKim/Golden_Brown/iStock)
閣僚は、自由貿易を支持する強いシグナルを発し、21世紀にふさわしい高い水準でバランスの取れたルールを整備し、経済成長を促進し、我々の国の企業、消費者、家族、農業事業者及び労働者に対し利益をもたらす本協定を完全に履行することに対する確固たるコミットメントを表明した。閣僚は、委員会によってなされた決定が、協定の円滑な実施を確実にすることに寄与すること及び長期的な拡大を促進することを確信した。
閣僚は、アジア太平洋地域において、そしてそれを越えて、自由貿易及び経済統合を力強く推進するにあたり、我々の強固な結束を維持する重要性を再確認した。この文脈で、閣僚は、7の署名国による早期の締結及び実施を歓迎し、本協定が可能な限り早期に全ての署名国について発効することにつき希望を表明した。
閣僚は、最近の保護主義的傾向への懸念の高まりの中で、効果的で、開かれた、包摂的な、ルールに基づく通商システムという原則を維持し、更に強化していくことが最重要であるということで一致した。
閣僚は、第1回委員会会合が成功裏に終了したことを祝福し、それが我々の地域のため、及びそれを越えて、高い水準のルールの強固なプラットフォームの創出に向けた重要な出発点となると認識した。
上記声明は、自由貿易を是とし、保護主義に反対し、地域を越えた高い水準のルール作りを目指す、といったTPPの目標を端的に示した内容となっている。
安倍総理は、あいさつで「様々な不安や不満があるからこそ、それに正面から向き合い、公正なルールを打ち立てることで、自由貿易を更に進化させていく。TPPは、その先駆けとも呼ぶべきものであります。」と述べている。第1回TPP委員会が日本で開催されたことは、TPP11を日本が主導したこと、日本の自由貿易への強固なコミットメントを国際社会に改めて印象付けるであろう。
今回のTPP委員会では、TPP11の運用に関する次の4つの文書が採択され、TPP11は、いよいよ本格的に走り出したと言える。
(1)協定の運営:議長のローテーションや、2019年をTPP11全ての参加国の発効に向けた移行期間とすることなど、協定の円滑な運用のために必要な事項についての決定。
(2)新規加入手続:加入希望国・地域との協議の段取り、加入作業部会の立上げ等、実際に加入を調整していくにあたり必要な手続。
(3)国対国の紛争解決(SSDS)手続規則:紛争解決パネルでの審理手続に関する細則及びパネリストが審理を行うに当たって従うべきルール。
(4)投資家対国家の紛争解決(ISDS)仲裁人行動規範:仲裁人が仲裁を行うに当たって従うべきルール。
新規加入に関しては、インドネシアやタイが関心を示しているほか、英国も加入を希望している。参加国が増えるほど、自由貿易のプラットフォーム、保護主義への反対、通商に関するハイレベルのルール作りといったTPPの価値が高まることになる。さらに、すぐにではないにせよ、米国の復帰を促す誘因にもなるであろう。
新規加入希望国の中で、特に注目すべきは、昨年11月に参加希望を伝えてきた台湾であろう。台湾がTPPに参加できれば、中国による国際的孤立化の圧力を受けている台湾にとり、大きな助けとなる。地域にとっても経済的にも戦略的にもプラスとなろう。1月17日には、自民党の河井克行総裁特別補佐が訪台し、蔡英文総統と会談、蔡総統は台湾のTPP参加への支援を求めたという。台湾による東日本5県産食品の禁輸という大きなハードルがあるが、台湾のTPP参加は現実味を帯びた話になってきているように思われる。
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● アメリカファーストというのは、TPP11のように集団行動をとることでは
ないのです。今までの集団行動がUSAに膨大な貿易赤字と国家の危機を
招いたのです。USAは、絶対自由貿易に後戻りすることはありません。
● このTPP11を世界に広めた時が、日本の天下という事なのです。経済
という実態のあるものが現実を支配するのです。マルクスも言った
ように上部構造は下部経済構造に依存するのです。
● この経済的発展で日本の文化が力をもって世界に君臨できるのです。
腹が減っては戦は出来ぬ。食足りて礼節を知るのです。観念論者
や負け犬は、礼節のみがその生きる糧なのです。
● あなた聞いていますか? 心も物質的存在なのですぞ!!
世界潮流を読む 岡崎研究所論評集
2019年2月8日
いよいよ本格的に走り出したTPP11
岡崎研究所
»著者プロフィール
CPTPP(TPP11)は、昨年12月30日に発効したばかりであるが、時を置かず、1月19日、TPPの参加国11か国は、閣僚級の「TPP委員会」を東京で開催、閣僚声明を発表した。声明の抜粋は以下の通り。
(ByoungJoo/dikobraziy/NaokiKim/Golden_Brown/iStock)
閣僚は、自由貿易を支持する強いシグナルを発し、21世紀にふさわしい高い水準でバランスの取れたルールを整備し、経済成長を促進し、我々の国の企業、消費者、家族、農業事業者及び労働者に対し利益をもたらす本協定を完全に履行することに対する確固たるコミットメントを表明した。閣僚は、委員会によってなされた決定が、協定の円滑な実施を確実にすることに寄与すること及び長期的な拡大を促進することを確信した。
閣僚は、アジア太平洋地域において、そしてそれを越えて、自由貿易及び経済統合を力強く推進するにあたり、我々の強固な結束を維持する重要性を再確認した。この文脈で、閣僚は、7の署名国による早期の締結及び実施を歓迎し、本協定が可能な限り早期に全ての署名国について発効することにつき希望を表明した。
閣僚は、最近の保護主義的傾向への懸念の高まりの中で、効果的で、開かれた、包摂的な、ルールに基づく通商システムという原則を維持し、更に強化していくことが最重要であるということで一致した。
閣僚は、第1回委員会会合が成功裏に終了したことを祝福し、それが我々の地域のため、及びそれを越えて、高い水準のルールの強固なプラットフォームの創出に向けた重要な出発点となると認識した。
上記声明は、自由貿易を是とし、保護主義に反対し、地域を越えた高い水準のルール作りを目指す、といったTPPの目標を端的に示した内容となっている。
安倍総理は、あいさつで「様々な不安や不満があるからこそ、それに正面から向き合い、公正なルールを打ち立てることで、自由貿易を更に進化させていく。TPPは、その先駆けとも呼ぶべきものであります。」と述べている。第1回TPP委員会が日本で開催されたことは、TPP11を日本が主導したこと、日本の自由貿易への強固なコミットメントを国際社会に改めて印象付けるであろう。
今回のTPP委員会では、TPP11の運用に関する次の4つの文書が採択され、TPP11は、いよいよ本格的に走り出したと言える。
(1)協定の運営:議長のローテーションや、2019年をTPP11全ての参加国の発効に向けた移行期間とすることなど、協定の円滑な運用のために必要な事項についての決定。
(2)新規加入手続:加入希望国・地域との協議の段取り、加入作業部会の立上げ等、実際に加入を調整していくにあたり必要な手続。
(3)国対国の紛争解決(SSDS)手続規則:紛争解決パネルでの審理手続に関する細則及びパネリストが審理を行うに当たって従うべきルール。
(4)投資家対国家の紛争解決(ISDS)仲裁人行動規範:仲裁人が仲裁を行うに当たって従うべきルール。
新規加入に関しては、インドネシアやタイが関心を示しているほか、英国も加入を希望している。参加国が増えるほど、自由貿易のプラットフォーム、保護主義への反対、通商に関するハイレベルのルール作りといったTPPの価値が高まることになる。さらに、すぐにではないにせよ、米国の復帰を促す誘因にもなるであろう。
新規加入希望国の中で、特に注目すべきは、昨年11月に参加希望を伝えてきた台湾であろう。台湾がTPPに参加できれば、中国による国際的孤立化の圧力を受けている台湾にとり、大きな助けとなる。地域にとっても経済的にも戦略的にもプラスとなろう。1月17日には、自民党の河井克行総裁特別補佐が訪台し、蔡英文総統と会談、蔡総統は台湾のTPP参加への支援を求めたという。台湾による東日本5県産食品の禁輸という大きなハードルがあるが、台湾のTPP参加は現実味を帯びた話になってきているように思われる。
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● アメリカファーストというのは、TPP11のように集団行動をとることでは
ないのです。今までの集団行動がUSAに膨大な貿易赤字と国家の危機を
招いたのです。USAは、絶対自由貿易に後戻りすることはありません。
● このTPP11を世界に広めた時が、日本の天下という事なのです。経済
という実態のあるものが現実を支配するのです。マルクスも言った
ように上部構造は下部経済構造に依存するのです。
● この経済的発展で日本の文化が力をもって世界に君臨できるのです。
腹が減っては戦は出来ぬ。食足りて礼節を知るのです。観念論者
や負け犬は、礼節のみがその生きる糧なのです。
● あなた聞いていますか? 心も物質的存在なのですぞ!!