フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

9月12日(火) 小雨

2006-09-13 00:35:30 | Weblog
  論文が難所に差しかかっている。ここを抜けると見晴らしのいい場所に出るはずであるが、どういうルートで、どこまで深く踏み込むのかを決断しなければならない。想定しているゴールに到達するルートはいつくか考えられるが、それは必ずしも最短のルートである必要はなく、そこには何かしらドラマチックな展開がなければ面白くない。深さに関しては、もちろん深いに越したことはないのだが、あまり深く分け入りすぎるとルートを見失う恐れがある。午後、小雨の降る中、気分転換を兼ねて昼食を食べに出る。雨に濡れた街は、しっとりと秋の色を帯びているように見える。

          
                   コンポジションA

  やぶ久ですき焼きうどんを食べ、シャノアールで珈琲を飲みながら、持参した市井三郎「倫理と科学のはざま-清水幾太郎『倫理学ノート』を読んで-」(『展望』1973年6月号)を読む。『倫理学ノート』の書評の中では白眉といっていいものである。改めて読み返し、難所を抜け出すルートが見えてきたように思う。

          
                   コンポジションB

  学生たちが徐々に大学に、東京に戻ってきているようである。散歩から戻ってメールをチェックすると、彼らからの報告や質問のメールが数通届いていた。返信のメールはできるだけ読んだその場で出すこと。これ、論文を執筆しているときの鉄則である。いまは忙しいからと返事を後回しにしても、いいことは何もない。