フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

9月22日(金) 曇り

2006-09-23 01:38:19 | Weblog
  ここ数日、右肩が凝っている。たまにこういうことがある。ずっと昔、まだワープロが普及する前、鉛筆やペンで字を書いていたときは、筆圧が強いせいだろう、始終右肩が凝っていた。キーボードで字を打つようになってからは、悪筆からも肩凝りからも解放されたが、それでもやはり長時間(終日)机に向かっていると、右手でマウスを操作するためか、左右の視力が不揃いな眼でディスプレイを眺めているためか、スキーで転倒して右肩を痛めた後遺症のためか、原稿が思ったように捗らないことから来るストレスのためか、単独の要因のためではなく諸々の要因の複雑な相互作用のためか、右肩から右の肩胛骨の辺りがひどく凝って辛いことがある。書斎には全自動マッサージ機が置いてあるが、まぁ、気休め程度の効き目しかない。徐々にほぐれるのを待つしかないか…。
  夕方、散歩に出る。有隣堂で日垣隆『知的ストレッチ入門』(大和書房)を購入し、カフェ・ド・クリエで1時間ほどかけて読み終える。肩が凝ってはいても本は読めるのである。日垣は『そして殺人者は野に放たれる』(新潮社)で新潮ドキュメント賞を受賞したジャーナリスト。そういうしっかりした仕事をしている人の仕事術を読むのは面白い。付箋の使い方、クリアチェストの使い方、ロング書棚やパーソナルコピー機や手帳についての蘊蓄も興味深かった。世の中には知的仕事術・生活術そのものを専門(?)にしている人もいるが、そういう人の書いたものは方法論的フェテシズムに陥っているようなところがあって、案外役に立たないのである。
  元早稲田大学総長(13代)で現白鴎大学学長の小山宙丸先生が亡くなられた。享年79歳。私は学生時代、小山先生のキリスト教概説(だったかな?)の講義を受けたことがある。大変温厚で、真摯な研究者といった雰囲気の方であった。1994年、私が放送大学から早稲田大学に移ってきたときの総長が小山先生だった。文学部から総長が出ることは大変珍しかった。当時の中央図書館(現在の高田早苗記念研究図書館)1階の広間で、総長から新任教員一人一人に辞令(?)が手渡され、全員で記念写真を撮ったのだが、小山先生は私の顔を覚えていて下さったようで、そのことが嬉しく、また晴れがましい思いがした。いま、抽出の中を探しても、そのときの辞令も記念写真も出てこない。たかだか12年前のことなのに、とても遠い昔のような気がする。合掌。

              
                  小山宙丸先生