昨日、庭木に毛虫がいるのを母が発見した。というわけで、今朝、暑くなる前に、私と妻とで庭木の消毒作業。その後、妻はジムへ。私は息子を誘って昼食をとりに出る。月曜は「鈴文の日」であるが、朝食が自家製コロッケサンドだったので、揚げ物が続くのはどうかと思い、喜多方ラーメンにする。食べ終えて、息子は帰宅し、私はそのまま散歩へ。
ディスカウントチケット店の前を通ったら、9月8日封切りの木村拓哉主演の映画『HERO』の前売り券が目に入った。TVドラマ『HERO』は毎回楽しみに観ていた。ただ、映画となると、どうしても事件が大仕掛けになりがちで、TVドラマのときの味わいが失われてしまうのではないか。そういう懸念はあるが、購入。1300円也。
新星堂でメンデルスゾーンの交響曲第3番「スコットランド」の入っているCDを探す。日曜日に「N響アワー」を視聴して、そこで気に入った曲を月曜日に購入するといういつものパターンである。「スコットランド」の入ったCDは2枚あり、1つはクレンペラー指揮のもの、もう1つはバーンスタイン指揮のもの。両方とも一緒に収められているのは交響曲第4番「イタリア」である。値段はクレンペラーの方が1300円、バーンスタインの方が1000円だったので、後者を購入した。帰宅して早速聴いてみた。悲哀と祈りと安らぎに満ちた音楽である。イ短調の作品で、本国ではイ長調の「イタリア」の方が人気があるそうだが、たぶん日本では逆だろう。
ところで、岩城宏之が『音の影』でメンデルスゾーンについてこんなことを書いている。
「ぼくの知る限りの西洋音楽史の中では、生まれたときから裕福で、死ぬまで金持ちだった作曲家は、メンデルスゾーンだけのようである。ほかはたいてい貧乏出身で、全盛期にはけっこう金を稼いでも、晩年には悲惨な状況というのが、多いようである。」(183頁)
メンデルスゾーン家は銀行家の一族だったのである。日本でいえば、三井・住友みたいなものである。ただしユダヤ系だったので、いろいろと不快なことはあったらしい。
「メンデルスゾーンは、モーツァルトとともに、「歌うアレグロ」を書くことができた、二人だけの作曲家だと言われている。歌に満ち溢れている曲は、たいてい、テンポが遅い。だからゆっくり歌えるのだ。これは西洋の一八~一九世紀の音楽でも、わが国の演歌の世界でも同じことだ。テンポの速い曲と、メンメンと歌う音楽は、相反する。これを自然に、すんなり書いているのが、この二人なのだ。」(188頁)
メンデルスゾーンとモーツァルトにはあと2つ共通点がある。曲を書き上げるのが早かったことと、若くして亡くなったことだ(メンデルスゾーンは38歳、モーツァルトは35歳)。この2つはもしかすると関連があるのかもしれない。ところが、例外的に「スコットランド」は着手してから完成まで十数年かかっている。これは一体どうしたことだろう。多忙のため、というだけでは説明できないだろう。星野宏美『メンデルスゾーンのスコットランド交響曲』(音楽の友社、2003年)という本がある。私は未読だが、「自筆譜や書簡など、数々の原典資料にもとづき、スコットランド交響曲の着想から完成まで14年間の成立史を詳細に考察。他の交響作品との関連をも明らかにし、作曲家メンデルスゾーンの成長の軌跡をたどる。メンデルスゾーンの生涯と創作に迫る初の本格的研究書」(「BOOK」データベースより)とのことである。500頁近い大作で、メンデルスゾーンの評伝ならそれもわかるが、彼のたった一つの作品だけを題材にしてのことだから恐れ入る。まったくの専門外の書物だが、清水幾太郎研究の何かの参考になるかもしれぬと考えて、Amazonで注文することにした。
ディスカウントチケット店の前を通ったら、9月8日封切りの木村拓哉主演の映画『HERO』の前売り券が目に入った。TVドラマ『HERO』は毎回楽しみに観ていた。ただ、映画となると、どうしても事件が大仕掛けになりがちで、TVドラマのときの味わいが失われてしまうのではないか。そういう懸念はあるが、購入。1300円也。
新星堂でメンデルスゾーンの交響曲第3番「スコットランド」の入っているCDを探す。日曜日に「N響アワー」を視聴して、そこで気に入った曲を月曜日に購入するといういつものパターンである。「スコットランド」の入ったCDは2枚あり、1つはクレンペラー指揮のもの、もう1つはバーンスタイン指揮のもの。両方とも一緒に収められているのは交響曲第4番「イタリア」である。値段はクレンペラーの方が1300円、バーンスタインの方が1000円だったので、後者を購入した。帰宅して早速聴いてみた。悲哀と祈りと安らぎに満ちた音楽である。イ短調の作品で、本国ではイ長調の「イタリア」の方が人気があるそうだが、たぶん日本では逆だろう。
ところで、岩城宏之が『音の影』でメンデルスゾーンについてこんなことを書いている。
「ぼくの知る限りの西洋音楽史の中では、生まれたときから裕福で、死ぬまで金持ちだった作曲家は、メンデルスゾーンだけのようである。ほかはたいてい貧乏出身で、全盛期にはけっこう金を稼いでも、晩年には悲惨な状況というのが、多いようである。」(183頁)
メンデルスゾーン家は銀行家の一族だったのである。日本でいえば、三井・住友みたいなものである。ただしユダヤ系だったので、いろいろと不快なことはあったらしい。
「メンデルスゾーンは、モーツァルトとともに、「歌うアレグロ」を書くことができた、二人だけの作曲家だと言われている。歌に満ち溢れている曲は、たいてい、テンポが遅い。だからゆっくり歌えるのだ。これは西洋の一八~一九世紀の音楽でも、わが国の演歌の世界でも同じことだ。テンポの速い曲と、メンメンと歌う音楽は、相反する。これを自然に、すんなり書いているのが、この二人なのだ。」(188頁)
メンデルスゾーンとモーツァルトにはあと2つ共通点がある。曲を書き上げるのが早かったことと、若くして亡くなったことだ(メンデルスゾーンは38歳、モーツァルトは35歳)。この2つはもしかすると関連があるのかもしれない。ところが、例外的に「スコットランド」は着手してから完成まで十数年かかっている。これは一体どうしたことだろう。多忙のため、というだけでは説明できないだろう。星野宏美『メンデルスゾーンのスコットランド交響曲』(音楽の友社、2003年)という本がある。私は未読だが、「自筆譜や書簡など、数々の原典資料にもとづき、スコットランド交響曲の着想から完成まで14年間の成立史を詳細に考察。他の交響作品との関連をも明らかにし、作曲家メンデルスゾーンの成長の軌跡をたどる。メンデルスゾーンの生涯と創作に迫る初の本格的研究書」(「BOOK」データベースより)とのことである。500頁近い大作で、メンデルスゾーンの評伝ならそれもわかるが、彼のたった一つの作品だけを題材にしてのことだから恐れ入る。まったくの専門外の書物だが、清水幾太郎研究の何かの参考になるかもしれぬと考えて、Amazonで注文することにした。