今度、ライフコース・アーカイブ研究所というものを学内に立ち上げることになり、その会合が夕方から大学であった。同僚の嶋崎先生が所長、名誉教授の正岡先生が顧問、人間科学部の池岡先生、社会科学部の小島先生、私の3名が研究員で、他に客員研究員が多数予定されている。今は昔、私が大学院生だった頃、正岡先生を中心にライフコース研究会というものがあった。毎週、金曜日の午後に研究会を開いていた。文献研究だけでなく、毎年、あれこれの調査研究も精力的に行なっていた。そうやって蓄積された調査資料が相当の量にのぼる。今回設立されるライフコース・アーカイブ研究所はそうした調査資料の維持・管理、そして将来的にはデータ公開を目的とした研究所である。ライフコース研究会時代の面々が久しぶりに顔をそろえて、さながら同窓会のようであった。会合の後は、高田馬場の金華飯店でみんなで食事をした。ここもライフコース研究会の後によく訪れた場所である(その後、ボーリングあるいは麻雀というのが定番のコースであった)。あの頃の若者たちも、40代、50代になり、あちこちの大学で教鞭を執っている。数年前に早稲田大学を定年退職された正岡先生は、驚いたことに、以前より髪の毛が増えていた。もしかして植毛でもされたのかと思ったら、そうではなくて、○○○という育毛剤が効いたのだという。育毛剤なんてものは気休めに過ぎないと思っていたが、かくも確かな証拠を見せつけられると、考えを修正せざるをえない。○○○の効果の追跡調査もライフコース・アーカイブ研究所の研究テーマの一つに加えてもいいのではないだろうか。楽しい会も2時間ほどでお開きとなり、次回の会合(7月下旬)での再会を約束して、それぞれの家路に就いた。わが家の近所の八重桜が満開である。その下でしばしたたずむ。帰宅して、私が最初にしたことは、インターネットで○○○を注文することであった。