8時半、起床。晴天だ。今日は「甘味あらい」に今シーズン最初のカキ氷を食べに行こうと決める。
メールの返事を数本書く。どれも昨夜届いたメールだが、帰宅したのが0時を回っていたので、寝る前に返信を書けなかった。クリームシチューとトーストの朝食。
昼から外出。なにはさておき「甘味あらい」。店先に「氷」の旗が出ていない。あれ、まだなのかな、と思いつつ暖簾をくぐる。奥さんに「氷はまだですか?」と尋ねる。「今日から始めました」と嬉しい返事。しかし、カキ氷を注文している客は誰もいない。席に着き、ちょっと間をおいて、宇治金時ミルクを注文する。去年の8月31日以来である。甘味処のカキ氷の王様といっていい逸品である。本来、カキ氷というものは、真夏に汗を拭きながら食べるのが最高で、今日は晴れているとはいえ、爽やかな気候で、カキ氷の本格的なシーズンではないのだが、初ものというのは妻を質に入れても食べるというのが江戸っ子の心の習慣である。ああ、もうすぐ夏休みだ・・・とはまだ言えないけれど。夏休みの日々を想像しながら食べる。
本門寺の境内をちょっと散歩してから、下丸子へ行く。駅前の「喜楽亭」で昼食をとろうと思う。
ところが、時間は2時半だったのだが、「喜楽亭」はこれから中休みに入る時間だった。中休みがあることを知らなかった。そうだよね、普通はあるよな、と思いつつ、近くの和食・中華の店「龍華」に入る。店名はあきらかに中華の店だが、メニューは定食屋さんである。とん焼肉定食(810円)を注文。生姜焼きではなく焼肉のたれの味付けである。テーブルの上にマヨネーズがチューブに入ったまま置いてあるところがいかにも庶民の店である。キャベツにかけて食べる。「ボリュームのある店」の宣伝文句どおり、ご飯は大盛だった。壁のメニューの中の「目玉焼き定食660円」というのが気になる。何が気になるのかというと、目玉は何個なのかということだ。卵一つで660円は高いように思う(それで大盛のご飯を食べきるのは難しい)。たぶん目玉は二つあるのだと思う。お店の人に聞きたかったが、聞けなかった。そんなことを聞いて、目を丸くされるといけないと思ったのである。
下の写真は、注文した料理が出てくるのを待っている間に、入口の硝子戸越しに撮った、店の向かいの四つ角の風景。木村伊兵衛の代表作「本郷森川町」を頭の片隅で意識して撮ったものである。たくさん撮った中の一枚で、7人の人物〈ベビーカーの中の赤ちゃんはカウントしない)の配置が気に入っている。これで右端の空間に女子高生3人組でも写っていれば完璧なのだが・・・。四つ角だから登場人物は時々刻々変化する。同じ人物たちの同じ配置は二度と出現しない。一期一会の風景だ。街の魅力というのは、いろいろな人がいて、思い思いに生きていて、ゴチャゴチャしているところではないかと思う。ストリートというのはそういう街の本質が目に見える形で現れる場所だ。街角で交錯する名も知らぬ人たちの人生。
木村伊兵衛「本郷森川町」(1952年)・・・何度見てもいい。ずっと見ていても飽きない。
蒲田に戻り、床屋に行く。散髪を終えて、「シャノアール」で一服してから、帰宅。晴れると、6月というのは日が長いことに気づく。