8時、起床。かやくご飯と大根の味噌汁の朝食。梅雨の中休みにしては早すぎるが、晴れて気温も高くなりそうだ。今週はけっこう忙しい。今日は授業も会議もない日だが、会議の準備等で大学に行かなければならない。
大学に行く前に、寄り道をして「甘味あらい」へ。月曜日のお昼というのは、天候にかかわらず、たいてい空いている。実際、今日も他に客はいなかった。白玉ぜんざい(冷やし)を注文して、ご主人とあれこれおしゃべりをする。ネットで「甘味あらい」を検索すると、ほとんでが賞賛の記事なのだが、たまに「注文してから出てくるまでに時間がかかりすぎる」と書かれていることがある。混んでいるときでもせいぜい20分くらいだと思うが、その程度でイライラするようでは、甘味処でゆったりした時間を過ごすには不向きな人であるといわざるをえない。「待つ」ことの作法、「待つ」ことの楽しみというものを知る必要がある。誰かと来ているならおしゃべりを楽しめばいい。私のように一人で来ているなら、本を読むとか、日記をつけるとか、ご主人や奥さん、ちょっと度胸がいるが隣の席の客に話しかけるのもいい。一人でいることの利点は孤独を楽しむか社交を楽しむか選択できることにある。白玉ぜんざいを食べ終わって、そろそろ腰を上げようかと思っていたところへ、奥さんが店にやってきたので、もうしばらく話し込む。今日初めて聞いたのだが、奥さんはこの10年間ほどバレエを習っていたそうだ。それはそれは。しばしバレエの話。前回のゼミでスイーツ係を担当した3年生のIさんもバレエをやっていて9月の公演に向けて練習に励んでいる。スイーツ選びに失敗したら「甘寺へ行け」と宣告するつもりだったが、首尾よく役目を果たしてくれたので、「甘味あらいへ行け」と進むべきスイーツの王道を示してあげることにしよう。
「甘味あらい」を出て、さて、昼食をどこでとろうか、向かいの「蓮月庵」か池上本通りの交差点のところの「大陸」かと考えて、後者にする。前から気になっていた店だが、入るのは今日が初めて。「蓮月庵」同様、高齢のご夫婦二人でやっている、と「甘味あらい」のご主人からうかがっていた。こういうお店はいつ店仕舞いしてもおかしくはなく、いつか入ろうと思っていて、それが叶わなくなってしまうことがしばしばある。だから思い立ったが吉日なのだ。タンメン(500円)を注文する。待つことしばし、鶏がらスープの塩ラーメン+肉野菜炒め、タンメンの理念型そのもののようなタンメンが運ばれてきた。あっさりとしたケレンミのない味わいである。胡椒とかラー油とか、そうしたものは使わずに食べる。タンメンは「湯麺」と書くが、私のイメージでは「淡麺」である。淡々と味わうべきものである。それにしても500円とは安いな。
週末ならばこれから散歩を楽しむところであるが、今日はそういうわけにはいかない。せめて店を出て池上駅までの間の道を散歩気分で歩く。自転車のある風景というのは心惹かれるものがある。なぜだろう。
午後は教務室で仕事。左右社のK氏からメールが届く。滞っている執筆の件である。本当は去年の夏に書き上げるはずのものであった。催促がないのをよいことに(もしかして忘れられてしまったのか)、放っておいた仕事である。言い訳の余地もない。木曜日に改めて相談ということになった。今夏の優先順位第一位の仕事にしなければならぬ(あっ、フルオンデマンド授業「社会理論と社会システム」の収録が第一位か)。7時まで仕事をして帰宅。