7時、起床。書斎で朝刊を読んでいると、チュンがやってくる。最近、TVでは『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズが盛んに放送されている。主人公の名前はジャック・スパロウ。雀のジャックだ。うちのチュンのことをジャックと呼ぼうかしら。ハムステーキと目玉焼きでご飯の朝食。
『図書新聞』から頼まれている『社会学の学び方・活かし方』(勁草書房)の書評の締め切りが近づいている。たしか10日だったはずだ。今日、最後の頁まで読んで、明日、原稿を書こうと思う。
午後、読みかけの本をバッグにいれて、散歩に出る。昨日行って(中休みの時間と当たって)入れなかった下丸子の「喜楽亭」に再び行ってみる。
入口の引き戸を開けて中に入ったのが1時45分。ご主人に中休みの時間は何時から何時までか尋ねたら、2時半から5時までとのことだった。なら大丈夫。ロースカツ定食(950円:ランチタイムのサービス料金)を注文する。「鈴文」のランチのとんかつ定食と同じ料金である。「鈴文」と同等のものが出てくることは考えられないが、それは承知である。「鈴文」はカウンターだけの狭い店だが、美味しいとんかつを食べるために、そのことだけのために、客はやってくる。しかし、ここ「喜楽亭」はそういう店ではない。時間が止ったようなゆったりとした室内で、定食らしい定食をのんびりと味わうための店である。950円のうちの200円はそうした空間への入場料のようなものだと思っている。
運ばれてきたロースカツ定食は大いに食欲をそそるものであった。カツの衣が美味しそうな色に揚がっている。自家製のソースもいい。きっと代々受け継がれてきたものに違いない。ご主人が、よかったらこれをと言って、卯の花の入った小鉢を持って来てくれた。ありがたくいただく。
2、3週間に前にいらしてくださった方ですよねと聞かれたので、はい、そうです、実は昨日も来たのですが、中休みの時間とぶつかってしまいましたと答える。それから、私が食べ終わって店を出るまで、ずっとご主人と話をすることになった。ご主人は56歳で、私より1つ下だが、これから誕生日を迎えるのだとすれば、私と同じ昭和29年の生まれということになる。同じ時代を同じ大田区で生きてきたのだから、共通の話題はたくさんある。そして私の知らない下丸子の土地の話、創業当時(戦前である)の「喜楽亭」の話など、興味深い話も聞けた。来た甲斐があったというものだ。下の写真は新店舗が開店したときの「喜楽亭」。当時は下丸子はホームだけの無人駅だったが、その後、駅舎が作られることになり、そのために写真の右側の旧店舗は取り壊されることになったのである。電柱の看板の「派出婦人会」とは、お手伝いさん(家政婦)を派遣する組織のことであるが、今日、ご主人から伺った話では、一般の家庭だけでなく、カフェやレストランで働く女性(女給)の斡旋も行っていたそうだ。それは知らなかったな。
「喜楽亭」を出て、食後の散歩に少し下丸子の街を歩く。蒲田に戻り、「シャノアール」で1時間ほど本を読んでから帰宅。