7時、起床。
私道の雪かきをする。自分の家の前だけやっても大して意味がないので、表通りに出るとことまでやる。「セブンイレブンへの道」だ。いや「ヘブンへの道」かもしれない。けっこう雪が硬くなっていて、途中から腰が痛くなってきたが、「僕の前に道はない。僕の後ろに道はできる」と口づさみながら貫通するまでまでやる。高齢者世帯には雪かきは厳しいし、アパートの住人たちはスコップをもっていないだろう(年に一度か二度あるかないかの雪かきのためにスコップの用意をしておけというのは無理な注文である)。やれるものがやる、それでよいと思っている。私にしたところで、日頃、自治会の仕事は高齢の人たちやご婦人たちに任せきりなのであるから、こんなときに働かなければ出番がない。
約束していた予定が雪のせいで明日に延期になったので、鵜の木のギャラリーカフェ「hasun no hana」へ行ってみることにする。いまやっている展示会は今日が最終日なのだ。
その前に「喜楽亭」で昼食をとろうと、下丸子(鵜の木の一つ手前)で途中下車。ところが暖簾が出ていない。通常でも、閉まっているように見えるが(笑)、今日は本当に閉まっている。
ご主人が店の前で雪かきをしている。「こんにちは。今日は休業ですか」と声をかけると、「なれない雪かきをやったせいで、腰を痛めてしまって。今日は夜のみの営業です。せっかく来ていただいたのにすみません」とのこと。
下丸子の駅の踏切の反対側にある「コメダ珈琲店」に初めて行ってみる。人気店らしく、客がいっぱいだ。
海老カツサンド(750円)とコーヒー(400円)を注文。海老カツさんどの大きいのにびっくりする。
「hasu no hana」へ。
斎藤圭太『水をなぞる/うつろい時間』。
二つの作品群からなる展示会である。『水をなぞる』は多摩川の風景を撮ったもの。作品は白い額に入って、直線上に(川の流れに沿って)配置されている。人影はないけれど、物語はある。
『うちろい時間』は日常の目の前を流れすぎる風景を撮ったもの。作品はアクリル板(アイフォンの画面のように)でコーティングされてランダムに配置されている。ありふれた日常の断片の集積。しかし、それを意識する(写真に撮って並べる)ことで、断片たちが共鳴を起こし始める。
写真家ご本人がいらしたので、お茶を飲みながら、あれこれおしゃべりをする。斎藤さんは1977年の生まれの36歳。1990年代の後半、早稲田の第二文学部・第一文学に在籍していたとプロフィールに書いてあった。ちょうど私が放送大学から早稲田に移った頃である。もしかしたらキャンパスですれ違っていたかもしれない。 在学当時は映画研究会に入っておられたそうで、映画から写真への転身(展開というべきかもしれない)のお話が興味深かった。
「hasu no hana」は明日(日曜日)はお休みで、月曜日から次の展示会が始まる。新垣美奈展『Lights,Windows,Darkuness at Night』。どことなく村上春樹の『アフター・ダーク』を連想させる。3月14日まで。
蒲田に戻ってくる。
今夜は妻がワイヤー&ビーズの講習会のメンバーとの新年会に出かけているので、夕食は外に食べに出る。
「テラス・ドルチェ」へ行く。
夜の「テラス・ドルチェ」は空いている。夜の時間帯を任されている息子さんが言うのは、「それが店の課題」なのだそうだ。でも、ゆったりしていていいけどね(笑)。
ハンバーグセットを注文。
マスター夫妻が「テラス・ドルチェ」を開店したのは35年ほど前のこと。お二人はまだ20代だった。つまり私と同世代だ。個人経営のカフェはどこも大変だと思うが、ここは流行っているといってよいだろう。息子さんも頑張っていただきたい。