9時、起床。寝たのは5時頃だった。女子フィギア(ショート)をTVで観ていたためだが、気の毒な結果で、こちらもガックリとなった。目覚めの気分もスッキリしない。
マフィン、ミニコロッケ、サラダ、紅茶の朝食。
小山台高校の同窓会誌(号外)が届く。野球班(わが母校では「部」ではなく「班」という)の甲子園大会出場決定のお知らせと、寄付と応援ツアー参加の呼びかけである。一回戦の日程は未定だが、めったにないことなので、都合がつけば観戦に行ってみてもいいかなと思う。
昼食は「phono kafe」に食べに行く。「あるす」のマダムが来ていた。初めての来店である。先日、大原さん夫婦が「あるす」を訪れ、今日は「あるす」の定休日なので、もしかしたらいらしているかもしれないという予感はあった。2つのカフェの橋渡しをした者として相席させていただく。マダムはコーヒーを注文されていた。大原さんとしては、コーヒー専門店のマダムにコーヒーを出すというので恐縮していたが、マダムは豆乳をたっぷり入れて、カフェオレ風にして飲まれていた。焼き立てのワイン入りパンがおまけで出て来た。私もいただいたが、香ばしくて、美味しかった。明日の朝食用に買って帰ることにする。
私はごはんセットを注文。マダムは興味深そうにご覧になっていた。たぶん次は注文されるのではないだろうか。
カウンターには支払い用のトレーを置くようにしたのだが、誰も気づいてくれないと大原さんがぼやいていた。お皿だと思われているのかもしれませんね。革製のものだったらよかったんじゃないかな。
「このトレーは私です」(桜田淳子へのオマージュ)
「phono kafe」を出て、「まやんち」へ。満席だったが、途中で電話を入れておいたので、席をとっておいてもらえた。
焼き菓子の盛り合わせとミルクティー(アッサム)を注文する。新人スタッフのヤマちゃんがお菓子(6種類)の説明をしてくださった。
来週、また新人のスタッフの方がデビューされるらいし。
柴田元幸責任編集『MONKEY』2号を読む。特集は「猿の一ダース」。内外の11人の作家の小説で構成されている。11本なのに一ダースとはこれいかに。編集者の説明を聴こう。
「さて、第二号は、日・米・英の新しい小説の特集です。題して「猿の一ダース」。「パン屋の一ダース」(a baker's dozen)という有名なフレーズがあります。十三世紀のイギリスでパン屋がパンの重さをごまかして売っているという噂が立ったため、罰せられるのを避けようとしたパン屋が、一ダースのパンを買ってくれたお客に、一個おまけして一ダース=十三個としたのが起源です。名短編集『ナボコフの一ダース』も、これにならって十三篇入っています。
これとは逆に、フランスでは、猿はずる賢いので、猿にバナナを数えさせると十二個あると一個ちょろまかしてしまうので、十一個のことを「猿の一ダース」(la douzaine singe)といいます。
―嘘です。すいません。
なんにせよ、今回の新しい小説群、(詩やショートショートもあるので作品数はそれより多いけど)作者は十一人しかいないのです。いないのですが、猿は見栄っ張りなので、「猿の一ダース」という名前をどうしても使いたかったのです。ただその、英語で書いている七人の作家の作品は、すべて猿が訳しているので、それに免じて勘弁してやってください。」
危うく騙されるところだった(笑)。11人の作家と小説のタイトルは以下のとおり。
ブライアン・エヴンソン「ザ・パニッシュ」
神慶太「川」
ケリー・リンク「モンスター」
ラッセル・エドソン「中毒/犬たち/飢え/自然/変容/太った婦人が歌うのを待って」
川上未映子「彼女と彼女の記憶について」
マシュー・シャープ「Story #18/#23/#25」―Very short stories r us から
村上春樹「ジェエラザード」
スティーブン・ミルハウザー「息子たちと母たち」
J・ロバート・レノン「ありそうな/道順/軍服」―『左手のための小品集』から
小野正嗣「ウミガメの夜」
アグネス・オーエンズ「機能不全家族」
メニューをみるだけでわくわくする。最初から順番に読んでいくという生真面目な、あるいは懐石料理的なやり方もあるが、それだと村上春樹にたどり着くまでだいぶかかる。ここは、やっぱり、食べたいものから食べる(美味しそうなものから食べる)という食欲に身をゆだねるやり方でいくのが自然だろう。
「ジェエラザード」、面白かった。いま、『文藝春秋』に連載中の「女のいない男たち」シリーズもそうだが、村上春樹のストーリーテリングの上手さは天才的というよりも悪魔的といってもいい域に達していると思う。
今回の特集とは別に、連載中である「村上春樹私的講演集 職業としての小説家」の第2回は「文学賞について」である。芥川賞やノーベル賞について語っている(!)。たぶんいろいろなところであれこれ言われ、直接に聞かれてもいることなのだろう、「この際、きちんとお答えしておきます」という気持ちで書かれたもののように思う。たぶんとても書きにくかったと思うが、はぐらかすことなく、直球で書かれている。
すでにこの2本を読んだだけで定価1200円の元をとった気がする。雑誌というものの面白さ、楽しさを満喫できそうだ。難があるとすれば、三段組の頁は老眼の私には少し活字が小さいこと。
でも、大丈夫。先日購入した最新の拡大鏡があるのだ。直接、本の上において、スライドさせていけばよい。ライトもついていて明るい。
くまざわ書店で以下の本を購入。
岡田尊司『母という病』(ポプラ新書)
今和泉隆行『みんなの空想地図』(白水社)
本日の夕食はクリームシチュー。