8時、起床。65歳の朝を迎える。世間ではいま「平成」から「令和」への移行が話題を集めているが、個人的には「生産年齢人口」から「老年人口」への移行が大きなトピックである。つまり私は高齢者として令和という時代に入っていくのである。
トースト、マーマレード、サラダ、牛乳、紅茶の朝食。
9時半に妻と東口の三井住友銀行に行く。ドル建ての一時払い個人年金という商品を購入する。生命保険は死亡すると多額のお金が入るが(だから保険金殺人が起こったりする)、個人年金の場合は逆に満期(10年)まで無事に生きて利益が最大になる。「いつ死んでも大丈夫」ではなく「当分死んではいけない」のである。もちろん私は生命保険にも入っているから、アンビバレントな気分である。ドル建てにしたのはもちろん日本の金利が限りなく0に近いからである。
手続きには2時間ほどかかった。
その足で大学へ。昼食は蒲田駅で買った崎陽軒のシュウマイ弁当。
3限は大学院の演習。受講生は6名(たぶん)。「近現代日本人の人生の物語」がテーマの演習だが、今年度は『ひとびとの精神史』全9巻(岩波書店)を読む。
4限は空き時間。今日はコーヒーカップはどれを使おうか。
これにしよう。
5限は講義「日常生活の社会学」。受講生はまだ確定していないが、250名~300名くらいだろう。30名でも300名でも話す内容に変わりはないが、学期末の試験の採点のことを考えると少々気が重い。受講生が未確定ということもあり、初回は早めに切り上げる。
6時半に大学を出る。
夕食はすき焼き。わが家では私の誕生日と12月30日はすき焼きと決まっている。
卵は使う派である。「今半」の割り下を使っているが、味は濃いめなので、卵でくぐらせてちょうどいい感じになる。
デザートの誕生日ケーキはシブースト。数字のローソクはお店でもらってきたそうだ。ローソクの本数で表現するのは大変だからね。
シブーストは紅茶が合います。
65歳になっても、職業生活に変化があるわけでないので(定年は70歳)、これまでと変わらない日々が続くだろう。ただ、「老年人口の仲間入りをした」という気分はこれから生活の端々に何らかの変化としてあらわれてくるかもしれない。誰でも老年になるのは人生で初めての経験なので、経験して初めてわかることが多々あるにちがいない。それがちょっと楽しみな気がしないでもないのは、たぶんまだ健康に深刻な問題を抱えてはいないことと、私が社会学者であるためだろう。
3時、就寝。