嗚呼、オーベルジュへの道

長野県佐久市にあるホテル「おいまつえん」CEO兼こづかいさん(爆)の日常

英国紳士道入門なるか? Barbourのリプルーフに挑んでおく-3

2014-09-03 21:05:40 | 今日の逸品
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さて、英国の衣料、となった場合にはとこっとん頑固で、古典的。高価な割にあか抜けない、代わりにスタイルが変わらない、(変えない)おかげで長年着られる、のだから結局リーズナブルである、という認識は、今は昔。はっきりいって、昭和の頃の出来事。

いまや、モード系まで取り入れたトレンドど真ん中をついてくるスタイル抜群のプロダクツが多いという印象。
いつまでもアンダーステイトメントばかりはやってられない、ということでしょうか。トレンドに対してもイタリヤとはまた違うアプローチなのが興味深い。その一方で、しっかりとクラシックラインも温存しておいて、陳腐化しないようにある程度のアップデートも重ねており、収益の2本柱がきっちりある。

Barbourもそんななかにあって、さぞかし伝統依存の古いスタイルなのか、と思いきや、とんでもない。
これでもかとある、過去のアーカイブズに忠実な造形は守っておいて、そこへいろいろと新機軸を盛り込む。

今回取り上げている、このMotor Cycle Shirtにしてからが、見所満載です。
そりゃそうです。あのトリプルワラント取得のBarbourが、コムデギャルソン仕込みのモード系全開のデザイナー、吉田十起人の起用、というだけですでに大事件なのです。
一体どうしちゃったの、というのが当時の日英両国、いえ全世界の反応だったはず。

が、吉田さん=TOKITOは英国文化には造詣が深かった。使われるシーンを徹底的に研究しておいて、それに最適化したディテールを巧妙に造り込み、プロダクツにミゴトに落とし込んでいます。
今風の細身のシェイプが効いた造形にはキホン、Barbourのオイルドコットン製ですが、機能性満点の立体裁断がこれでもかと落とし込まれています。Barbourの他のラインとの最大の違いはこのあたりなのかな?

特にショルダー近辺の裁断が立体的で、凄まじいほかに、脇腹や袖にベンチレーション機能まで持たせてあるあたりが、服好きをくすぐってくださいます。

また、Motor Cycle Jacketではなく、Shirtと名乗るだけあって、スワローテイルの造形を持つ、シャツのディテールをわざわざ盛り込んであるあたりにシャレを感じるわけです。

ううむ、オサレなだけでなく凝ったディテール満載、さらに総体として個性的。とリミテッドエディションに特有のこりまくりの造形ですが、全体にスッキリしたスタイリングの邪魔はけしてせずに、TOKITOならではの、どこか時代と国籍不明のテイストがきっちり盛り込まれているあたりがステキ。

人気ものなわけです、というわけでさらに次号につづく。




英国紳士道入門なるか? Barbourのリプルーフに挑んでおく-2

2014-09-03 09:52:33 | 今日の逸品
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さて、折よく(折悪しくかっ?)e bay で競り落とした、これまたkoshinya師匠絶賛の超レアモデル=Barbour x TOKITO Beacon Heritage Range Motor Cycle Shirt が本国から届きました。

これね~、koshinyaさんの言う通り、ものすごいカッコ良さ。ハンガーに吊るしてあるだけでちびりそうになるのですが、どっこいシリーズで一番人気だったのではないか、ということもあって、お値段も一番人気。
そもそもが限定生産で、数がものすごく少ないところへもってきて。このカッコ良さなので、超レアなんてもんぢゃないっす。

そのレアモデルの私のサイズがe bayに出品されているのを発見したのが、オークション終了ほんの15分前(汗)。
解説を読みますと、どうやらフードが取り去られているようで、非常に躊躇したのですが、それもあって相場のほぼ半額弱で終了しようとしております。

さて、悩む~!フードは2重構造の格納式でジッパーでもって襟の裏側に収納されるはずのものなのですが、どうやら前オーナーさんは、全体にスッキリしたこのジャケットで襟部分のみがぽってりと膨らむのを嫌った模様。
TOKITOさんのコンセプトからは有り得ない極悪改造であるといってよいのですが、冷静に考えますとフードはあってもまあほぼ使わないでしょう、と(爆)。
それにこのポンド高の今にあっても20000円いくかどうか、という値付けは非常に魅力的でございます。

というわけで、モディファイドなのを承知でめでたく落札してしまったのが、画像のこれでございます。

届いてみれば、まあほとんど着られていないという印象。その代わり、といってはなんですが、銘柄知れずのコロンプンプン、おまけに背中にある巨大ポケットにはキンパツがひっかかっていて、おおっ、英国直送だ、となります(爆)。

さらに次号へ。


英国紳士道入門なるか? Barbourのリプルーフに挑んでおく

2014-09-03 09:36:27 | 今日の逸品
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Barbourの代表モデルはオイルドコットン、つまりアブラを染み込ませた綿布で作られたジャケットです。

ここまでいろいろと買いあさって参りましたが、それらすべてがこのオイルドコットンで作られております。いうまでもなく、防水性を売りにしているからですが、このオイルはなんどか雨に当たったり、長期間保管している間に乾燥してきます。その油分を補う作業が、このBarbour名物のリプルーフというわけです。

新品の状態ですと、触っただけでそこはかとなく油分が指につくか、というレベルなのですが、じつはこれ工場出荷からはだいぶ時間を経ているはずですからして、塗りたてはそりゃあもう、べとべと。

なんといっても衣服にアブラを塗りたくる、ってんですから特殊。というわけで、師匠koshinyaさんのブログを頼りに予習を重ねて、道具も一通り揃えたところでリプルーフに挑んでみました。

詳細次号