King Diary

秩父で今日も季節を感じながら珈琲豆を焼いている

濃い珈琲と苦み好きに一言

2013年06月19日 09時38分16秒 | 珈琲
いつも一人で焙煎していると色々と考えたり、悩んだり
してしまうこともあります。

ひとつ、気になっていたのは色です。

豆の色というのは、それはその豆がどれだけカロリーを受けて
来たかという履歴書です。

プロが使う焙煎機には温度計やら圧力計やらでその豆がどれだけ
煎られたかを知るように計測できる装置がついていますが、それ
だけじゃなくというよりそれよりもこの豆の色で優先して判断すべしと
言われています。

そのためにテストスプーンという豆を釜から取り出してみる装置があります。

その色目をちょくちょく見て目的の焼き目にするのです。

しかし、釜の中には直火と熱風という釜構造でどちらも換気ができないと
中で豆の外側が熱で脱げたものが燃えるため焦げ味とか苦みになって
いることがあります。

喫茶店などで見かけるまっ黒な色なコーヒーにはうちの豆ではならず
透明感があり紅茶のようだなどとけなされていますが、如何にも珈琲通の
好みの濃くて苦い味こそその珈琲じゃない苦みと焦げに由来している
可能性があります。

今の時期アイス珈琲のご注文もあるので、苦くて黒いものをとかガツンと
苦いものを心掛けるのですが、どうしても苦いだけではなく甘味が苦みより
前面になる感じになります。

当店の釜の設計者の意見も世間に信じ込まれている味と本当の珈琲の
味と色がいかにごまかしの中にあるかという点でいつも一致し、それを
打ち破るためにもよりよい豆を広めていくしかないと感じます。

とはいえ苦いものを欲しているのに本物は苦くないといって済む話でも
ないですから話は複雑なのです。

相手はそんな見えないもので、相手が思っているものと違うものを出して
さらに納得願うには相当のものがなくてはならないでしょう。

そのために日々試飲をどうぞと多くの方に試してもらっているのですが、
試飲の時に出る話は酸味がどうのこうのという話ばかりでまだまだ
本来の到達点は先のようです。

コメント
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