King Diary

秩父で今日も季節を感じながら珈琲豆を焼いている

おいしいコーヒーの淹れ方のうそ

2013年06月22日 15時29分58秒 | 珈琲
ネットの動画を見比べる機会があり、その時の感想です。

おいしいコーヒーの淹れ方という動画がいくつもアップされています。

言っていることはみんな同じなのですが、微妙に数値に差があります。

お湯の温度、豆量、蒸らし時間、これらは共通そうで数値に差がある
項目。

共通なのは、紙の折り方、絶対にしてはならない事項、注ぎ方。

ただ、気になったのはそうはいっても実際にやっていることがどうも
おかしいのです。

実際口で言っているのの字を書くようにそそぐとか、絶対にろ紙に直接
そぞがないとかみんないっている割に映像の方ではああだめだねそれと
いう淹れ方ばかりなのです。

予想としては、全くコーヒーの淹れ方を知らない人がドリップセットを
買って、さて自分で淹れたらどんなものかとわくわくとしてネットで
淹れ方を検索して、実際やってみたら意外とめんどくさく、飲んでみたら
喫茶店よりまずいとなり、もうやらないという感じの落ちなのだと
予測されます。

人により、思ったよりまずいので、さらにいろいろ研究してよりうまい
淹れ方にたどり着く人と日常のことなので、日々工夫するうちに自分流を
見つける人などです。

実際は日々日常なことなので誰かしらに最初は聞いて、基本は知って
いてもさて自分の出番になった時に正しい淹れ方とはと検索するので
しょう。

問題となるのは微妙に食い違う数値のところか、言っていることと異なる
映像かとなるのですが、結論から言ってしまうと数値化されていることが
全てを物語っているように正解はないということです。

でもポイントはそこではなく、みんなが絶対にやってはいけないこととか
言っていることと違う映像です。

そして、蒸らしを最初にやることは共通ですがやり方が違っていること。

そこに違いが見いだせる人は、普段からおいしいコーヒーの淹れ方を
しているのでしょう。

別にハンドドリップが至上であるとも思わないので、これができないと
おいしいコーヒーが飲めないとも思っていません。

今や新鮮な珈琲豆が誰でも買える時代になり、ドリップマシンでも
熱湯で淹れるフレンチプレスでも金属フィルターでも喫茶店をしのぐ
味はできるようになりました。

つまりはこだわるべきはよい豆という簡単な結論で終わりにも
できるのですが、あえてもっと踏み込むと、紙を濡らさないとか
のの字より点滴で落として蒸らすとかポイントはあります。

適当なコメントの締めくくりとしてどの動画でも心を込めて落とすとか
精神的オカルト的な言葉が必ず出てきます。

絶対にやってはいけないと言っておきながら簡単に蒸らしの段階から
外側から紙に直接お湯が伝わっていたり、犯さざるべき事柄が
実は簡単に教える側もミスしている点が重要で、気持ちを込めるとか
おいしくなれと念じることに頼らざるを得ない知識の貧困をそしられて
当然の軽薄さです。

当店にいらっしゃるお客様もどうしたらおいしく淹れられるかという
質問もありますが、新鮮な豆を新鮮なうちに飲みきることが一番で、
豆の保存方法を聞いてくる時点で普段からおいしい珈琲を飲み慣れて
いない証明になってしまいます。

ですから、当店では少数派ですが、挽いた豆を買っていく行く人の方が
通かもしれません。

そういう人は、下手なミルで少数g豆を挽くより、一気に電動の高性能ミルで
挽いた方が粒がそろいドリップ速度に差が出ることも知っているし、味も
ミルにより差があることも知っています。

まして、それを酸化する前に使い切ってしまうという最低の知識もあるから
挽いてくれと言って買っていくわけです。

こんな梅雨のときこそマニアックな人がやってきます。

試飲しながらいろいろな話ができるのも醍醐味かもしれません。
コメント
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