金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

76:佐々木睦 『漢字の魔力』

2017-09-02 17:25:04 | 17 本の感想
佐々木睦 『漢字の魔力 漢字の国のアリス』(講談社選書メチエ)
★★★☆☆

【Amazonの内容紹介】

福を招き、魔を除く。新しい時代の到来を告げ、
コカ・コーラを「可口可楽」と絶妙に書き表す。
この、融通無碍で摩訶不思議な漢字の世界にようこそ。
多彩な資料を渉猟する著者がガイドする、文字が織りなすワンダーランド。

*************************************

先に読んだ『大人の漢字教室』みたいな本かと思って手に取ったのだけども、
「中国における漢字」といった面が強く、
よりディープな世界を楽しめる。
中華街でよく見かける、漢字のような絵のような不思議な文字の
正体に触れられていたのが特によかった。
「福」がひっくり返った文字は「タオフー」と読み、
「倒」と「到」が同音であることを利用して
福が来ることを願うおまじないなのだそう。
昔の漢字占いにはツッコミどころ満載だけども、
そういう風習があるというのは興味深いし面白い。

「可口可楽」は大学の中国語の講義で初めて知って感心したけど、
二年間中国語をやっていたのに、覚えているのはこの「可口可楽」と
「卡拉OK」=カラオケ、「美国」=アメリカ、くらいのもので
まったくものにできなかったわ……。



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75:越谷オサム 『陽だまりの彼女』

2017-08-23 19:31:07 | 17 本の感想
越谷オサム『陽だまりの彼女』(新潮文庫)
★★★☆☆2.5

【Amazonの内容紹介】

幼馴染みと十年ぶりに再会した僕。
かつて「学年有数のバカ」と呼ばれ冴えないイジメられっ子だった彼女は、
モテ系の出来る女へと驚異の大変身を遂げていた。
でも彼女、僕には計り知れない過去を抱えているようで──
その秘密を知ったとき、恋は前代未聞のハッピーエンドへと走りはじめる!
誰かを好きになる素敵な瞬間と、同じくらいの切なさも、
すべてつまった完全無欠の恋愛小説。

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「おすすめの恋愛小説!」みたいなポップを
ずいぶん昔に見て、気になっていた小説。
同じ作者の『いとみち』が面白かったのもあって
読んでみたのだけども。

結論から言うと、残念ながら合わなかった……。

主人公とヒロインを好きになれなかったせいか、
前半のイチャイチャが気持ち悪く感じられてしまって。
それでも最後まで読んだのは、
「1.ヒロインの過去に何があったのか」
「2.不審な様子が見受けられるようになったヒロインに何が起こっているのか」
の2点が気になったから。
特に二つ目はかなり興味を引く描き方がされていて、期待は膨らむ一方。

しかし、まさかこんな古典的なオチを
今さら読まされるとは思わなんだよ……

いや、ここかしこに張り巡らされていた伏線に気づいたときは
驚いたんだけども、気づかなかったのは
ジャンル詐欺のせいもあると思うんだよね。
突然ファンタジーになったのはよしとしよう。
しかし、ファンタジー要素を組み込むのなら
それなりの説得力がほしい。
どうして、どんなふうに、こんなことが起こったのか、
納得できないので、種明かしをされてもまったく感動できず、
「主人公、おめー、それでいいんかよ?」
と首をかしげることしかできない。


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74:山口謠司 『大人の漢字教室』

2017-08-23 19:17:56 | 17 本の感想
山口謠司『大人の漢字教室』(PHP研究所)
★★★★☆

【Amazonの内容紹介】

漢字は、今日までの長い歴史のなかで、
数え切れないほど生み出されては、消えていきました。
そのなかには、驚くほど不思議な形をしたものや、
意外なドラマを秘めたものがあります。
たとえば、「一」は数字の一番目ではなく、
大地=世界のはじまりを表したものでした。
また、とどまることなく流れている「時」は、
字源をさかのぼれば「動かないもの」という意味だったのです。
こうした学校では教えてくれない、漢字のもつ本当の魅力を
楽しいイラストとともに紹介するのが本書『大人の漢字教室』です。
「読める」「書ける」だけではもったいない!
大人のための漢字の授業がはじまります。

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自分の知っている説明と違う点もあったけれど、
この本で初めて知ったことも多く、非常に楽しめた。
「彦」は「イケメン」という意味だとか、
「美人」は「とってもふくよかな人」という意味だったとか。

「必」の書き順、ほんとに不思議だよね……。
中国式の「心」→「ノ」の方がよっぽど理にかなってる気がする。

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73:佐藤初女 『おむすびの祈り 「森のイスキア」こころの歳時記』

2017-08-11 21:06:19 | 17 本の感想
佐藤初女『おむすびの祈り「森のイスキア」こころの歳時記』(集英社文庫)
★★★☆☆

著者のことは確か、最初は高山なおみさんの本で言及されていて
知ったんじゃないかな。
その後、雑誌なんかでも取材されているのを何度か読んだはず。
すでに他界されたのだと、ついさっき知った。

信仰というものをわたしはよく理解できないのだけれども、
人が信仰を、他者を手助けするための実践という形に移す姿は美しい。
きれいごとだけが書かれているわけでもなく、
助けを求めて来る人が、自分のことだけで頭がいっぱいになっていて
結構迷惑をこうむっていることもちゃんと書かれているのに
好感が持てた。

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72:服部正也 『ルワンダ中央銀行総裁日記』

2017-08-08 22:11:10 | 17 本の感想
服部正也『ルワンダ中央銀行総裁日記』(中公新書)
★★★☆☆

【Amazonの内容紹介】

一九六五年、経済的に繁栄する日本からアフリカ中央の一小国ルワンダの
中央銀行総裁として着任した著者を待つものは、
財政と国際収支の恒常的赤字であった―。
本書は物理的条件の不利に屈せず、様々の驚きや発見の連続のなかで、
あくまで民情に即した経済改革を遂行した日本人総裁の記録である。
今回、九四年のルワンダ動乱をめぐる一文を増補し、
著者の業績をその後のアフリカ経済の推移のなかに位置づける。

******************************
 
ここ一か月ほど忙しすぎて、
読んだ本の題名すら覚えていない……。
そんなわけでものすごく久しぶりの読書記録。

この本は、結構前に、「まるで今はやりの異世界転生もの」みたいな触れ込みで
話題になってたんじゃなかったかな。
わたしもそれで存在を知ったはず。
今のようにネットもない、アフリカの小国に関する情報など
国際機関の中にも十分にあったとは言えない時代に、
単身でルワンダに赴任した日本銀行の行員が、
異文化の中で悪戦苦闘して国を立て直していく記録。

自分に経済の知識が足りないせいで理解できないことも多かったのだけど、
ルワンダ人への偏見や、外国人商人・顧問の言い分に惑わされることなく、
対話によって現地の実情をとらえ、
政府の人間や商人たちと渡り合う著者の能力の高さに舌を巻く。
新たに作り上げた国のシステムが、
その後の動乱で崩壊してしまうことも含めてドラマチック。

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71:斎藤孝・西村則康 『なぜ受験勉強は人生に役立つのか』

2017-07-04 15:37:32 | 17 本の感想
斎藤孝・西村則康『なぜ受験勉強は人生に役立つのか』(祥伝社新書)
★★★★☆

【Amazonの内容紹介】

少子化に伴い「全入時代」といわれる大学入試。
一方で中学入試は競争が激化し、問題の難易度も年々増している。
世間では受験の弊害が叫ばれ、親は「これさえ過ぎれば楽になる」と、
塾や家庭教師選びに頭を悩ませる。
しかし、受験は合否だけでは測(はか)れない。
多くの人は気づいていないが、受験勉強で学んだことは、
単に試験のみならず、その後の人生において大きな力を発揮するのだ。
中学受験のプロとして難関私立中学に多数の合格者を送り出してきた
家庭教師の西村則康と、
教育学者として小学生から大学生まで独自のメソッドを実践してきた齋藤孝が、
それぞれの教育論をぶつけあう白熱の対論!

******************************

受験で「成功」した人間は、

・ゴールから逆算した課題の設定(客観視)
・限られた期間内での課題の処理
・精度の高いインプット/アウトプット
・自己管理

ができている可能性が高いので、
それが活かされる分野の仕事においては能力が高い。
発想力は、それができているうえで活かされること。

……以上が、大学生のころから受験に関してわたしが思っていることで、
今に至るまで変わっていないのだけども、そのあたりのことを
対談形式でわかりやすく書いてくれているので、
子どもを受験させようか悩んでいる親御さんには
おすすめ。
受験のためだけの生活をさせているのもダメだ、と
きちんと書いてくれているし。

呼吸が浅い=ミスが多い、っていうの、ドキッとした。
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70:福田和也 『ひと月百冊読み、三百枚書く私の方法』

2017-06-27 20:52:07 | 17 本の感想
福田和也『ひと月百冊読み、三百枚書く私の方法』(PHP研究所)
★★★☆☆

すでに実行していることが多かったのだが、
それでがっかりするわけではなく、ちょっとうれしい。
もちろん、筆者ほど幅広くたくさんの本は読んでいないし、
筆者ほどアウトプットもしていないのだが、
たくさんの資料にあたり、それを利用するとなると、
結局こうなるよね……という感じ。
コピーより抜き書きがいいのは本当にわかる。
コピー取って安心するけど、安心するがゆえに
いつもたいていちゃんと読まなくなる。

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68:宮下恵茉 『龍神王子! ドラゴン・プリンス(1)』

2017-06-27 13:17:11 | 17 本の感想
宮下恵茉『龍神王子! ドラゴン・プリンス(1)』(講談社青い鳥文庫)
★★★☆☆

【Amazonの内容紹介】

わたしは宝田珠梨(たからだ・じゅり)。中学一年生。
一緒に暮らす祖母と両親は、占いハウスを営んでいる。
そのせいでみんなにからかわれて、とってもつらい思いをしてきた。
だから必死に勉強して、知っている人がだれもいない私立の中学校に入ったんだ。
ところがある日、これまで見たことのないほどカッコいい男の人がわたしに声をかけてきた。
わたしに、人間界と龍の世界をつなぐ大切な使命があるってホントなの??

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「今ハマっている」と言って、女子小学生から勧められたもの。

・ヒロインは選ばれし存在
・イケメン4人を配置した逆ハー
・ライトなファンタジー
・マスコット(動物)もあり

と、売れ線を押さえてるなあ。
女子小学生向けライトノベルといった感じ。

ライバルとして登場した4人が、協力しないと目的を遂げられない、という
チームものの要素も今後効いてきそう。
あいにく男の子キャラたちがあまり好みではなかったので、
キャラクターで引っ張られることはなかったのだけど、
序盤のコミカルな家族紹介でつかみはばっちりだし、
「俺は世界一、守備範囲が広い男なんだよ」では笑った。

難点は、男の子の名前がリュウ、コウ、ジュン、セイで、
カタカナ表記の上に語感が似ていて、覚えにくいというところかな。
とりあえず、2巻までは読む予定。

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67:SE編集部 『みんなの作りおき日記 週末ひと手間、平日らくらく。』

2017-06-17 19:55:06 | 17 本の感想
SE編集部 『みんなの作りおき日記 週末ひと手間、平日らくらく。』(翔泳社)
★★★☆☆

【Amazonの内容紹介】

朝食やお弁当を手早く作るために。
仕事で遅くなる日の夕食のために。
野菜をたくさん食べるために。
ていねいで豊かな食卓のために…。
さまざまな暮らしの中で、今、常備菜作りが注目されています。
本書では、おいしそうで真似できそうな作りおきの写真を約330点掲載。

**************************************************

料理のモチベーションアップのために。

「作ったものを琺瑯の容器に入れて並べ、上から写真を撮った」
という画像がほとんどなので、それぞれの個性はあまりない。
画像はいろんなサイズがあるのだが、
小さいものはひとつひとつの料理がよく見えず、レシピもないので、
「これを参考にしよう」と役立たせるのは難しい。
しかし、一時的には頑張ろうという気になった。
みんなすごいね、品数……。

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66:木村聡子 『あなたの1日は27時間になる』

2017-06-13 14:31:01 | 17 本の感想
木村聡子 『あなたの1日は27時間になる。――「自分だけの3時間」を作る人生・仕事の超整理法』(ダイヤモンド社)
★★★★☆

【Amazonの内容紹介】

残業が習慣化してしまっている。
深夜帰宅で、朝起きるのがつらい。
なぜかいつも疲れている。
がんばっているのに、どんどん仕事が溜まる。
仕事が忙しくて、デスクまわりがグチャグチャ。
こんな悩みをすべて解決!
仕事に追われる人生から、追いかける人生へ!

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仕事の性質・形態上、自分には「残業」がないのだけども、
時間を自由に使えることが多いからこそ、
「次の~を考えなきゃ」「早く進めなきゃ」と
常に追われているような気持ちになっていた。
本当に、「完全な休み」が一日もない。
自分の仕事のうちの一つは出勤をともなっているので
ある程度時間に区切りがつけられるけれど、
もう一つの仕事は「考えること」なので、
お風呂に入ってるときでも旅行先でも、常に仕事してる感じ。

そんなわけで、この本を読んだのだけども、
「仕事は無限にある」にはっとした。
いつも、「早く終わらせて楽になりたい」と思って、
根を詰めて一気に片づけようとしがちなんだけど、
「やるべきこと」はどんどんわいてきて、
楽になったことなんてないよ、そういえば……。

冬は「毛布の上に羽毛布団」ではなく
「羽毛布団の上に毛布」の方があたたかい、
という話は知っていたが、さらにあたたかいのは
「毛布を体の下に敷き、体の上に羽毛布団」であるらしい。
試してみよう。

ショートカットキーも肩こり解消に役立つなら覚えよう。

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