金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
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28:ケストナー 『飛ぶ教室』 

2007-02-21 10:27:52 | 07 本の感想
ケストナー/若松宣子訳『飛ぶ教室』(偕成社)
★★★★☆

名前はよく耳にしたものの、読んだことがなかったケストナー。
海外文学はカタカナの人名が覚えられないのと、
訳の不自然さが気になるのとで、手を出しにくいのだけれども、
新訳のシリーズだということでチャンレンジ!

親に捨てられたジョニー、成績優秀だが貧しさに苦しむマルティン、
食いしん坊でボクサーを夢見るマティアス、皮肉やのゼバスチャン、
小柄で気の弱いウリ。
ドイツのギムナジウムで過ごす5人の少年たちを中心に、
クリスマスまでの日常を描く物語。

案の定、マルティンとマティアスの区別がつかず、最初は困ったけれど、
訳は自然でとても読みやすい。
少年たちの抱える不遇というものも描かれるのだけれども、
勇気や優しさ、友情をテーマにしたエピソードが積み重ねられていて、
物語としては全体的にとても美しい。
美談すぎるのでは?という気もするけれど、
ナチス台頭の時代に描かれた話だと考えると、重みがあります。
小中学生に安心してすすめられる本。
おしむらくは、「短い!」ということでしょうか。
もっと読みたかった……と思わせるほど登場人物が魅力的。

5人の少年たち、小学生(10~12歳くらい)だと思ってたら、
中学生にあたる学年(13~14歳)だそうで……。
両親からもらえるクリスマスプレゼントにウキウキしたり、
クリスマスに家に帰れないことに涙をながしたり、
正義の先生に心酔したり……
ギザギザハートの中学生を見慣れたわたくしにとっては
こんなかわいい男子中学生の存在など信じられません!
そして「ぶあつい財布を持った天使」はどうかと思った

コメント (5)
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27:佐藤絵子 『フランス人の贅沢な節約生活』

2007-02-21 09:54:25 | 07 本の感想
佐藤絵子 『フランス人の贅沢な節約生活』(祥伝社)
★★★☆☆

古本屋で購入(100)。
フランス育ちの筆者による、フランス(パリ)式生活のすすめ。
たくさんおいてあったのを見ると、売れていた本なのでしょうか。
腰をすえて読書をする時間がないとき、こういう本は良い。

最後まで結構楽しく読めたけれど、目新しさがないのと
書かれていることを実践しようという気が起こらなかったのとで、
★2.5くらい。
パリという土地に憧れがないせいかもしれないな……。
わたしの好きなインテリア関係の雑誌でもパリの生活というのは
憧れの対象として扱われていることが多いのだけれど、
いまいちよくわかりません。
足を踏み入れた外国というのは、数だけならそこそこあるけど、
そこでどんなにおもしろく過ごしても、「日本はダメだ」とか
「ここに住みたい!」とか思ったことってほとんどない。
一時的に滞在するのとずっと住むのとでは全然ちがう、と
なぜか最初の海外旅行のときから思っていた気がする。
おしゃれでなくても、閉鎖的でも、
わたしは日本の生活が好きですよ。

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