金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

63:小倉千加子 『オンナらしさ入門(笑)』

2010-04-30 19:53:37 | 10 本の感想
小倉千加子『オンナらしさ入門(笑)』(よりみちパン!セ)
★★★☆☆

「よりみちパン!セ」月間。
S徳中学入試で出題。
装丁もページに入っているレース模様もとっても可愛い。

著者は心理学者でフェミニスト。
社会的要請によって作られる「女らしさ」の正体とは何なのか、
「男の子」を中心として回っている世界でどう生きていくべきかを
示しながら女の子にエールを送る一冊。
正直言って、著者が言っているような
「女の子であること」にまつわる不自由さというのを
意識したことがないので、フェミニストの主張には
いまいち共感できないのだけど、
それなりにおもしろく読めました。
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62:玉袋筋太郎 『男子のための人生のルール』

2010-04-30 19:31:31 | 10 本の感想
玉袋筋太郎『男子のための人生のルール』(よりみちパン!セ)
★★★★☆

著者は浅草キッドの一人。
なんという下ネタ!!な芸名なのだけど、
書いていることは非常にまっとうで
(ふつうに下の話も出てくるけど)、
中学生に読ませたいな~と素直に思える。
冒頭の導入部がやや説教くさいのだけど、
めげずに読み通してほしいところだ。

「親との掟」の章の「人生、帳尻の合わせ方」では、
ゲイバーを経営していた両親に対する反発と
大人になってから気づいた両親の愛情について
書かれていて、読みながら不覚にも涙が……
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61:重松清 『みんなのなやみ』

2010-04-30 19:13:48 | 10 本の感想
重松清 『みんなのなやみ 』(よりみちパン!セ)
★★★★★

家族や同級生、友だちとの関係、
自分自身に関する不安。
小学生から高校生まで、10代のさまざまな悩みに
重松清が答える。

著者の真摯な回答にほろりときてしまうところも。
十代の子どもたちだけでなく、
十代と接する大人たちにとってもためになるであろう一冊。

別に笑うポイントではないのだけど、高校1年生が
「ほんとうに頭に来る! なんにもわかってないくせに
なんでえらそうなのかマジで頭に来る!!」
と感情的な幼稚な文面のメールを送ってきたことに
爆笑してしまった。
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60:三島由紀夫 『鹿鳴館』

2010-04-30 12:31:36 | 10 本の感想
三島由紀夫『鹿鳴館』(新潮文庫)
★★★★☆

表題作の「鹿鳴館」のほか、「只ほど高いものはない」
「夜の向日葵」「朝の躑躅」を収録した戯曲集。
恩田陸の『猫と針』に三島由紀夫の「鹿鳴館」と、
これまで読んだことのなかった戯曲が連続しているのは
偶然です。

こちらは登場人物の表記が漢字だったせいか、
それほど読みづらさもなし。
(「夜の向日葵」は登場人物の名前が似通っているので
 やや混乱したが)
内容はメロドラマ的なんだけど、
美しく華麗で時代的な哀愁も感じさせる「鹿鳴館」、
女の底知れなさを描いた「只ほど高いものはない」など、
戯曲だけで完成している印象。
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59:恩田陸 『猫と針』

2010-04-30 12:17:23 | 10 本の感想
恩田陸『猫と針』(新潮社)
★★★☆☆

恩田陸の初戯曲。
同時進行で三島由紀夫の戯曲「鹿鳴館」を
読んでいたのだけど、

登場人物名:「セリフ」

の形で進んでいくスタイルが読みづらくて苦戦。
登場人物名のところに視線をむけなければ
ならないのがもどかしい。
小説だと、基本的に視線の動きは一定だから
苦労しないんだけど。
「人はその場にいない人の話をする」という
帯の文句の通り、内容は恩田陸っぽいのだけど、
そのあっさりかげんに肩透かしを食らわされる。
戯曲と演出、役者の演技等が組み合わさって
初めてひとつの作品になるわけだから、
戯曲だけで判断するものでもないのかなあと思うけど。
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58:角野栄子 『魔女の宅急便』

2010-04-30 11:59:10 | 10 本の感想
角野栄子『魔女の宅急便』(福音館文庫)
★★★★☆

魔女のしきたりにしたがい、「ひとり立ち」するために
しらない街に住むことになった十三歳の魔女キキと
相棒の黒猫ジジ。
歓迎されないことに落ち込みながらも、
よい出会いに恵まれ、キキはほうきで空を飛んで
荷物を届ける宅急便屋をはじめる。

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説明不要のジブリアニメの原作。
アニメの内容が原作から離れていくことに対し
ひと悶着あった(?)という話を
聞いたことがあったけれど、
確かに内容はずいぶん変わっている。
短いエピソードの積み重ねで一冊の本を作っているので、
これをそのまま映像化すると盛り上がりに
欠けちゃうんだろうな。
原作のほうがより「自立」というテーマを明確にしている。
アニメとはまたちがったおもしろさ。
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57:新美てるこ 『誰からがうしろに』

2010-04-30 11:52:38 | 10 本の感想
新美てるこ『誰かがうしろに (ハートウォームブックス)』(金の星社)
★★☆☆☆

誰かが後をつけてくるような気配におびえる、
転校生のかや。
転校先で出会ったクラスメイトの夕菜は、
動物の話し声が聞こえ、
航太は桜の木の下に人影が見えるという。
自分たちに不思議なことが起こる理由を知りたいと
調べ始めた三人だったが……

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仕事で必要な新刊を本屋に探しにいけないわたしのために
先輩が図書館で借りてきてくれたもの。
仕事で使えるかどうかはさておき、
話がおもしろくなさすぎる
感受性を喪失した三十路女には、
「不思議」もちっとも怖く感じられず、
三人の「絆」っていうのもよくわからないのであった。
五年生にもなったら、男女が親密になることに対して
それなりの抵抗感も出てきそうだけどなあ。

しかも三人のうち、航太の事情だけがぬきんでて重過ぎる。
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