金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

54:草野たき 『反撃』

2010-04-24 10:58:09 | 10 本の感想
草野たき『反撃 (teens’ best selections)』(ポプラ社)
★★★☆☆

クラスの平和を願い奔走し、意地悪ないとこと戦い、
田舎に生まれた自らの境遇をなげいて外国に憧れる……
あきらめずに戦う女子中学生五人の物語。
それぞれがちょこっとずつリンクしているタイプの
連作短編集。

草野さんの話、「メジルシ」もそうだけど、いきなり
ぎょっとするような胸をえぐるようなエピソードが
出てくるなあ……。
「ヒーロー」の小学生時代のエピソード、
トラウマになるよ……。
「ランチタイム」がいちばん好き。お母さんが素敵だ。
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53:恩田陸 『訪問者』

2010-04-24 10:42:03 | 10 本の感想
恩田陸『訪問者』(祥伝社)
★★★☆☆

三年前、近くの湖で不審死を遂げた実業家・朝霞千沙子が
管理していた山中の山荘。
千沙子に育てられた映画監督・峠昌彦が急死したのを
きっかけに、山荘に朝霞家の一族が集まった。
山荘を訪れた井上が、昌彦の遺言を公開する。
「父親が名乗り出たら、著作権継承者とする」
孤児だったはずの昌彦は、自らの父親が
朝霞一族の中にいると考えていたらしい。
そんな中、雷鳴とどろく山荘の外で、ある男が絶命していた。

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恩田陸の作品にしては比較的結末はすっきり?
でもそれが逆に、物足りないような信じられないような。
千次以外の兄弟に特徴がなく、「これだれだっけ?」と
思っているうちに終わってしまった。

恩田作品に出てくる女性は、最初気弱そうに見えても
存在感が薄くても、「絶対なにかある」と疑ってみてしまうなあ。
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