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★★★☆☆
タイトルの通り、東日本大震災の際にTwitterやチェーンメールとして
大量発生した流言・デマについて、サンプルを取り上げながら
その背景を分析し、流言・デマとどのように向き合うかを述べたもの。
東日本大震災の際は、普段テレビを見ないわたしも頻繁に
ニュース番組を見ていたけれど、それだけではなく、
Twitterも結構みていた。
【拡散希望】のツイートは大量に見た。
有益な情報はそこにない、とわかっていても見てしまったのは
不安の共有を求める気持ちがあったからなのかも。
そんな中で、関東大震災の際に流れたデマと同じような内容の
「朝鮮人が~」というツイートを見て、我に返ったというのか、
冷え冷えとした気持ちになり、しばらくTwitterは見なくなった。
ああいうときって、「当事者じゃない」人間のみにくい部分が
むき出しになるよね……
著者が述べているように、過去の事例を知って「流言ワクチン」を
持っておくことは、有効なのだと思う。
「朝鮮人が~」のデマで関東大震災のときみたいな展開にならなかったのも、
過去の事例を知っている人が多く、
判断するための情報が入手できる社会だったからだと思うし。
そして、個人的な印象だけど、救援物資に関する携帯のチェーンメールは、
同世代の人より年配の先輩たちから送られてくることが多かった。
若い世代に比べると、インターネットにアクセスする習慣が定着していなくて
デマを打ち消す「検証屋」の発する情報に触れる機会が
少なかったからかしら。