金木犀、薔薇、白木蓮

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映画:『エシュロン -対NSA網侵入作戦-』

2014-04-06 17:26:29 | 映画の感想
映画『エシュロン -対NSA網侵入作戦-』(ジャコモ・マルテッリ監督)
★★★★☆

【Amazonの内容紹介】
冷戦時代、[NSA=アメリカ国家安全保障局]は巨額の資金を投入し、
電話やファックス、電子メールを傍受、盗聴するシステム“エシュロン”を開発した。
当初はアメリカと敵対していたソ連を意識して軍事目的で作られたものだった。
しかし今、そのシステムは全世界をアメリカの監視下に置くための盗聴組織へと変貌したと噂される-。
その“エシュロン”に技術提供をする民間企業は、施設の利用を許可され、
産業スパイ活動を行っているというのだ-。
この[エシュロン]に技術提供をする企業[ウェンデル・クランショー社]の盗聴システム
[タンブルウィード]に関する機密文書を偶然手にした民間の女性フランチェスカ。
国家レベルの最重要機密を知ってしまった彼女は、
たちまち[産業スパイ]に仕立て上げられ[NSA]と[ウェンデル・クランショー社]の標的となってしまう。
しかし、組織の卑劣極まりない行為を見かねた[NSA]エージェント(諜報員)のジェームズは、
自らの立場を投げ打って彼女を助けることを決意する-。
ジェームズは[タンブルウィード]のシステムを逆に利用して、
この国家レベルの盗聴行為を世間に暴こうとしていたのだ。
ジェームズは天才ハッカーと言われるジャンニを召集し、反撃体制を整える。
[NSA]側が周波数検知不可能な場所は、
オゾンの濃度が減少しているところであることを突き止めた彼らは、
イタリアのモンブラン山脈へと飛び立つ。
彼らは険しく連なる氷山の頂きから、超大国アメリカへの反撃をついに開始した―――!

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うわーん! なんたる後味の悪さ!!

結局、国家との戦いで個人が勝てるわけがないのよね……

ウェンデル・クランショー社の代表としてNSAに来ている
アッシュというのが本当にいやな野郎で、
NSAのメンバーも彼に反感を抱いて
ジェームスに肩入れしちゃったりするんだけど、
肩入れした方が職を追われ、アッシュについた方が出世しちゃうんだよね。
世知辛い世の中だよ……

後味悪いけど、嫌いじゃない。
仕事のために若い日の恋をあきらめ、しかし、出世することもなく年を重ねた男が、
見も知らない、無実の女性のために残りの人生を投げうって、
持てる力のすべてを使って国家と戦う。
そんな自己犠牲的な、死にざまにセンチメンタルな美を感じてしまうのであった。
ただ正義感のためだけだけじゃなくて、ままならない人生とか、
組織の歯車の一つでない自らの立場に対する怒りや悲しみみたいなものも感じられて、
やるせない。


コメント
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