金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
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5:柚木麻子 『ナイルパーチの女子会』

2017-01-07 21:56:28 | 17 本の感想
柚木麻子『ナイルパーチの女子会』(文藝春秋)
★★★☆☆

【Amazonの内容紹介】

丸の内の大手商社に勤めるやり手のキャリアウーマン・
志村栄利子(30歳)。
実家から早朝出勤をし、日々ハードな仕事に勤しむ
彼女の密やかな楽しみは、同い年の人気主婦ブログ
『おひょうのダメ奥さん日記』を読むこと。
決して焦らない「おひょう」独特の価値観と切り口で記される文章に、
栄利子は癒されるのだ。
その「おひょう」こと丸尾翔子は、スーパーの店長の夫と二人で気ままに
暮らしているが、実は家族を捨て出て行った母親と、
実家で傲慢なほど「自分からは何もしない」でいる父親について
深い屈託を抱えていた。
偶然にも近所に住んでいた栄利子と翔子はある日カフェで出会う。
同性の友達がいないという共通のコンプレックスもあって、
二人は急速に親しくなってゆく。
ブロガーと愛読者……そこから理想の友人関係が始まるように
互いに思えたが、翔子が数日間ブログの更新をしなかったことが原因で、
二人の関係は思わぬ方向へ進んでゆく……。
女同士の関係の極北を描く、傑作長編小説。
第28回山本周五郎賞受賞作。

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途中、「長い……」と思いながらも一気読み。
栄利子の行動を怖いと思うよりも、
「ああ、そっちに突き進んじゃいかん、やめて……!」
とハラハラして、いたたまれなくなる場面の方が多かった。
たぶん、翔子よりも栄利子の方に自分は近いんだろうな。
後半、真織の極端な本性や、
彼女の言いなりになる栄利子の行動に合点がいかず、
やや醒めてしまったところもあったけれど、
女同士の関係の突き詰めた描写は息苦しいほど。
ラストにはほんの少しの希望があり、
はっとするような言葉も。


コメント
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