金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
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110:花村えい子 『マンガ古典文学 源氏物語〈中〉』

2018-12-01 20:11:12 | 18 本の感想
花村えい子『源氏物語 中(マンガ古典文学シリーズ)』(小学館)
★★★★☆

【Amazonの内容紹介】

花村えい子の繊細華麗な筆致で甦る源氏絵巻

日本古典文学の名作を原典に沿ってコミック化する話題のシリーズ!
第6回配本は、時代を問わず人々を魅了してやまない『源氏物語』の<中>。
平安王朝を舞台に数多の恋愛遍歴を繰り広げる栄華と苦悩の物語を、
その繊細華麗な筆致がパリ・ルーヴルの展覧会でも絶賛された
ベテラン漫画家・花村えい子が、いきいきと描きます。
<上>から引き続き、源氏の須磨に退去した侘びしさから始まり、
都に戻り、位人臣をきわめ、六条院に愛する女性たちを集め住まわせる――、
栄華の頂点にいたる「光の君」、三十代。
光源氏という希有なキャラクターとともに、
華やかに繰り広げられる王朝絵巻を介して、
波瀾に富んだ愛憎ドラマが展開します。
須磨、明石、澪標、蓬生、関屋、絵合、松風、薄雲、朝顔、少女、王髪、
初音、胡蝶、蛍、常夏、篝火、野分、行幸、藤袴、真木柱、梅枝、
藤裏葉、若菜上までを収録。

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光源氏、最低だな(2回目)。
 
頼むからもう六条御息所に構わないでやって!!

中巻は光源氏の気持ち悪さ大爆発。
六条御息所の娘・秋好中宮と、夕顔の娘・玉鬘。
かつての恋人たちの娘に言い寄るおっさん……
実の息子・夕霧にさえ「厭わしい」と感想を抱かせるほど。

自分を馬鹿にする源氏にすがるしかない末摘花もあわれなのだが、
生活の面倒を見てもらえるだけまだマシか。
身よりもなく、通ってくる男のいないとなると
当時の姫君にはもう生活の手段がないものね。

朧月夜が誠実な帝を選び、光源氏を拒否して
ちょっとだけ溜飲が下がった。
(また関係を持つとわかっているのだが……)


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109:花村えい子 『マンガ古典文学 源氏物語〈上〉』

2018-12-01 14:58:19 | 18 本の感想
花村えい子『源氏物語 上(マンガ古典文学シリーズ)』(小学館)
★★★★☆

【Amazonの内容紹介】

花村えい子の繊細華麗な筆致で甦る王朝絵巻

日本古典文学の名作を原典に沿ってコミック化する話題のシリーズ!
第5回配本は、紫式部が描いた王朝絵巻『源氏物語』に、
繊細華麗な筆致がパリ・ルーブルの展覧会でも絶賛された
ベテラン漫画家・花村えい子が挑みます。
桐壺帝の第二皇子として出生し、
才能・容姿ともにめぐまれながらも臣籍降下して源姓となった光源氏が、
平安王朝を舞台に数多の恋愛遍歴を繰り広げる栄華と苦悩の物語。
日本女流文学の最高傑作が、
多くの文芸・ミステリーを原作とする作品を手がけている
著者により、いきいきと甦ります。
「桐壺」「帚木」「空蝉」「夕顔」「若紫」「末摘花」
「紅葉賀」「花宴」「葵」「賢木」「花散里」「須磨 其の一」までを収録。

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漫画。
三巻にまとめているのでエピソードはかなり省略されているけど
原作通りの順にストーリーが展開されるので、入門編として便利。
和歌の現代語訳が枠外(ひどいときには別のページ)にあるのが
読みにくいのはマイナスだけど。

『源氏物語』は誰の小説版・漫画版を読んでも、
「光源氏は最低」以外の感想が出てこないな……。
今と倫理観が異なるとはいえ、
これほど共感できない登場人物もいないよ。

人妻に言い寄って夜這いしたけど人違い→
「ま、いっか! しかしこの女、初々しさないな~」
とか文句つけたり、ものにした女が不細工だからって
「なんでやっちゃたんだろ」と歌に詠んだり
他の女と会ってるときに不細工っぷりをネタにしたり。

六条御息所なんて、めちゃ理性的な人なのに
源氏に振り回された結果、
悪者にされてかわいそう。


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