金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
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215:青木祐子『派遣社員あすみの家計簿』

2022-09-17 17:34:57 | 22 本の感想
青木祐子『派遣社員あすみの家計簿』
★★★★☆3.5

【Amazonの内容紹介】

家計簿をつけながら、生活も恋も立て直し!

「結婚したら専業主婦になって、
 ぼくの収入は好きに使っていいよ」――
飲食店の社長だと自称していた恋人の理空也に騙され、
正社員として勤めていた会社を“寿退社”してしまった
藤本あすみ、28歳。
理空也は姿を消し、残ったのは二人で贅沢したぶんの
高額なカードの支払いだった。
通帳の残高は428円。
ピンチに陥ったあすみは親友の仁子に説教され、
家計簿をつけることに。
(以下略)

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主人公のふるまいに、
「お、愚かだなあ~!!」
とハラハラしながらも、その成長ぶりにやや安心。
自分も浪費を控えよう……と気持ちが引き締まる。

元カレがゆるぎないクズでよかった。
金を引っ張るためとはいえ、
嘘に手間をかけ、演技を徹底しているのはすごいよ。

作者さんの作品は、他に『これは経費で落ちません!』
一冊しか読んでいないのだけども、
主人公の相手役の男性(おそらく本命として描いているであろう人)の
描き方、
「本当にその男でいいんか?」
と思ってしまうところが共通している。
何というか、ライト文芸の恋人役って、
自分の好みでなくても、
「作中では魅力のある人ということになっているんだろうな」
と納得できるキャラ立てがされていることが
ほとんどなんだけど、この作者さんの描く男性、
へんに現実的で、気に障る欠点があるのだ……

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214:中山有香里『泣きたい夜の甘味処』

2022-09-17 17:31:53 | 22 本の感想
中山有香里『泣きたい夜の甘味処』
★★★★☆

【Amazonの内容紹介】

とある町に、ひっそりとたたずむ一軒の甘味処。
熊と鮭が営むこのお店は、夜だけしか営業していません。
提供するのは温かいお茶と、甘いもの一品だけ。
今夜も、疲れて泣きたい人々がこの店に迷い込みます。

夢をあきらめた夜、
愛する人を想う夜、
自分のことが嫌いになった夜。
―そんな夜は、この店で涙を流してもいいんだよ。

主人公たちが知らない、もうひとつの視点から綴った
描き下ろし52Pに加え、11のお菓子レシピがついています。

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「ほっこりグルメものか~。こういう話、よくも悪くも
 心を揺さぶられないからちょうどいい」
と暇つぶしに読み始めたら、泣いてしまった。

一つ一つのエピソードはあっさりしていて、
漫画でしか成立しない短さなんだけど、
後から同じエピソードを相手側の視点でもう一度描くことで
泣かせる話に仕上がっているのであった。


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