金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
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218:倉知淳『作家の人たち』

2023-09-18 10:24:08 | 23 本の感想
倉知淳『作家の人たち』
★★★☆☆
 
【Amazonの内容紹介】
 
文学賞のパーティーで、大手出版社四社の編集者が暗い顔で集っている。
皆、ある中堅作家につきまとわれて困っているのだ(「押し売り作家」)。
苦節十年、やっと小説の新人賞を受賞しデビューした川獺雲助は
会社を辞めて作家に専念することにした。
しばらくは順調だったが……(「夢の印税生活」)。
ほか、出版稼業の悲喜交々を描く連作小説。
 
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「KADAKOWA書店」「椋井貫郎(むくいぬくろう)」
「多佐渡在中(おおさどありなか)」「結局尚彦(けっきょくなおひこ)」等々、
モデルがわかりやすくておかしい。
作家兼コメンテーターの「宝井満月」など、
あからさまなのに、あんなけちょんけちょんに書いていいのか。
 
話自体は、なんだか辛くて辛くて。
ここに描かれている作家の辛さ、出版業界の状況は 
いろんなところで聞くから、目新しさも感じない代わりに
現実的でフィクションとして楽しむことができないのであった。
そんな中で25年も作家で続けるって、相当すごいことだと思うよ……。
絶望して自殺を試みても、暇になると話を考えてしまう作家の業を描いた
 最終話は印象的。
 

コメント
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