井上ひさし『東慶寺花だより』
★★★★☆
【Amazonの内容紹介】
江戸の離婚は現代の二倍?
寺の境内に身につけているものを投げ込めば、駆け込みは成立する――。
離婚をのぞみ、寺に駆け込む女たち。
離婚をのぞみ、寺に駆け込む女たち。
夫婦のもめ事を解きほぐすと現れるのは、経済事情、まさかの思惑、
そして人情の切なさ、温かさ。
鎌倉の四季を背景にふっくらと描かれる、笑いと涙の傑作時代連作集。
十年の歳月をかけて書きつむいだ感動の遺作。
著者自身による特別講義を巻末に収録する。
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序盤はとっつきにくさを感じたものの、話が進むごとに面白くなってくる。
東慶寺が駆け込み寺だったのは知っていたけれど、
具体的なシステムは全然知らなかったから、
大変おもしろく読んだ。
こういう話を、DV男だった井上ひさしが書いているというところに
業を感じてしまうが……
これが作者の遺作になったそう。
法秀尼さまのキャラが立ってきて、
これからも面白い話が展開しそうだったから、
これで終わりになってしまうのは残念。
映画『駆込み女と駆出し男』、これが原作だったのか。
大泉洋が出ている段階でドタバタコメディなのだと思って
両者がまったく結びついていなかった。
序盤に出てきた元許嫁に強奪された尼さんの話、
名前は変わってたけど、
私の好きな里見義弘と青岳尼のエピソードだよね?